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〜リモート〜
アイデア: 夢想花様 ふさこ様
普段の仕事がかなり忙しくても、たまにそれなりに暇な時間もとれる。
いくら私でも近所のお使いなんかがあったりすると、貞操帯だけの裸に手枷足枷首枷という奴隷ちゃんのカッコというわけにもいかないので、普段着で過ごすことも多い。
今のカッコは裾の短いジーンズに丈の短いTシャツ。
最近はみんなローライズ仕様になってて、いつものドイツ製貞操帯だと見えちゃって困るので、今日着けてるのはたまに使ってるベルギー製の貞操帯だ。
これは良一が自分用に持ってるものと同じメーカーの女性用。
昔っから使ってるドイツ製のと大きく違うところは、ベルトに蝶番がついててフィット感抜群ってこと。
他にはお尻のパートがただの棒になってて、貞操帯装着したままの状態ではアナル栓を追加したりできないことと、アソコの部分も最初から自慰防止板一体構造のようになっていることだ。
つまりこのメーカーのものは、自慰防止やセックス防止という本来の目的のために貞操帯装着しっぱなしなら実に快適で、定期的にアソコ洗うのを忘れてしまいそうなほど装着が楽だってことだ。
しかし、ディルドーやプラグを装着するときは一度貞操帯を解錠して全部脱いで、そこへディルドーやプラクを装着してから挿入しつつ再装着する、という手順になってしまう。
知らない人は『結局突っ込まれるから一緒じゃないか』と思われるかもしれないけど、貞操帯をディルドー固定具として使う場合、各パートごとに鍵があって、それぞれが許可制になってるのが結構萌えるのだ。
もちろんいつも使ってるドイツ製の貞操帯でも、前のアソコにディルドーを入れる時は貞操帯ごとの取り外しじゃないと無理だけど、自慰防止板の着け外しによる自慰許可という部分での心理的効果が高い。
オナニーすら許されてない自分の存在に激しく感じてしまう。
自慰防止板は自分でいじるのではなく、愛するダンナに鍵を開けてもらい、やさしく舐めてもらってイカせてもらうためにあるのだ。
そしてアナルの蓋は、限界まで太いディルドーを後から追加され、文字どおり抜き差しならない状態にされ冷や汗を流しながら悶えさせられるためにあるのだ。
そしてそんな状態にされても私はオナニーを取り上げられてるし、その状態から解放されてもオナニーはできない。
良一とセックスする時やメンテナンス、あるいは特殊なプレイの時以外、基本的に貞操帯は外してもらえないのだから。
それはもう私の一生の基本的仕様であり、私はいつでもご主人様であるダンナの思い通りに器具で貫かれ、固定され、封印され、剥奪されるのだ。
こうして自分の立場を想い返すたび、慣れ切って生活臭さにまみれて下着の一部になり切った貞操帯は、即座に新鮮味を取り戻し、24時間性器を拘束されっぱなしの実感を私に思い出させる。
私は皮膚にピリピリと電流が流れるような感覚とともに鳥肌が立ち、好きな人に所有されている喜びに甘く激しく感じ始めてしまうのだ。
買い物リストをまとめながら、自分の腰に目線を落とす。
短めのTシャツの裾からジーンズの縁まで、私の腰周りが、おへそを含めてかなりの面積が露出している。
普段は貞操帯のウエストベルトの下になっていて、いびつに潰され、ゴマ溜まりまくりな私のおへそも、今日は外気に触れて嬉しそうだ。
ローライズのジーンズから大きく飛び出た無骨なステンレスのベルトに指先で触れる。
そのベルトは、ベルトの通してないジーンズの縁から、それなりにくびれた私のウエストに向かって、ブーメランを体に上向きに沿わせたように左右にはみ出している。
ステンレスベルトの内側には白いウレタンのパッドが貼ってあり、それが見た目の無骨さをほんの僅かだけ和らげている。
ふと気づいてジーンズの背中側、ステンレスのベルトが後部で接合されている五角形のプレートに触れると、それは座った状態のジーンズの縁よりちゃんと奥に入っていて、今更ながらこの貞操帯の設計の良さに驚かされる。
この貞操帯なら腸骨の上を通るカーブしたステンレスのベルトが見えるだけだから、このまま幅広のファッションベルトでも腰にひっかければ外出できるかも、などと半ば非現実的な試みが頭をよぎる。
くだらない事をあれこれ考えながらぼんやりお使いの準備をしていたらなんだか本当に悶々としてきてしまった。
ブラの中で乳首が硬くなっている。
ボールペンを握ったままの手首で、Tシャツの上からそっと押さえるとジーンと薄甘い快感が広がる。
あー今の気分くらいの興奮状態だと、どのくらい勃ってるんだろう。
『純粋に医学的興味からよ』と自分自身に見え透いたウソをついて、Tシャツの前を捲り上げ、ブラのカップを引っ張って乳首の尖り具合を見る。
十代の頃のように真っピンクといかないまでも、それなりに淡い色をした乳首がピアスに貫かれている。
ピアスと言っても、私のは棒の両端にボールがついたバーベル型なので、見えているのは乳首の左右に寄り添う銀色のステンレスのボールが2コだけだけど。
お手入れサボってお風呂で流す程度にしか洗ってないので、ピアスのボールの付け根に輪っか状に垢が溜まっている。
気を付けてはいてもやっぱり普段意識せずに生活してると、微妙に引っ張られたり押されたりしてピアスホールの周辺から浸出液が滲み出て、それが乾いて固まり、輪っか状の垢ができるのだ。
ボールの一方を乳首に押し付けると中のピアスが押され、反対側から少し棒が飛び出て付け根の垢が浮く。
爪の先で垢の輪っかを断ち切り、フッと口で吹いたら飛んだ。
爪の先で垢を押したから、そのままボールを戻すと感染しないかなとも心配しつつ、自分のことだからまあいいやとピアスを押す指を離した。
反対側の乳首も垢を取る。
取ったあとで乳首をじっと見つめる。
ピアスって見た目は凄いけど、日常に馴染んじゃうと自発的には何の刺激も与えてこない。
何か動くもの、例えばチェーンとか鈴とかをぶら下げると、いい具合にテンションが掛かり、動くたび乳首の側面が擦れてスッゴイきもちいいけど。
あーでもブラしてると、それも無いかな。
そんなことを思い出していたら、何か急に物足りなく感じて、ピアスのボールを爪でコンコンと突いてみた。
はうっ!
振動が乳首に響いてきもちいい!!
あーだめだ調子に乗ってつまんじゃいそう……
……
……ちょっとだけなら……
エッチな気分になってひどい目にあうのは自分自身だし。
自己責任ってコトで……
何回か逡巡したのち、ばっさりTシャツ脱いでブラも外した。
上半身裸でオッパイいじり始めるのはあまりに罪悪感が強すぎ、ノーブラのままTシャツを戻した。
その時、チーッという微かな音がしたような気がすると同時に、視界の隅で何かが動いたように見えた。
一瞬手を止め、部屋の中を見回したが、特に変ったことは無かった。
乳首をTシャツの上から爪の先でコリコリと弄(いじ)る。
はぁっ!
きもちいいよぉ!
アソコに比べて、普段性的意識にのぼらない乳首だけど、こうしてそこだけを弄るとやっぱり性器と同列なんだって思い知る。
なんとも言えない甘い性感が左右それぞれオッパイの奥に向かって染み込んできて、最後に胸の中心がカアッと熱くなった。
――ドクン――
――ドクン――
――ドクン――
心臓の鼓動が速く強くなり、とうとう股の奥が湿ってきた。
だめだ……
手が止まらない……
布一枚隔てて爪の先で刺激するのがもどかしくなり、裾の短いTシャツに両手を潜り込ませてオッパイを鷲掴みにする。
手に余る脂肪の膨らみを揉むと、今度は胸の奥から乳首方向に、性感が絞り出されて来るような気がする。
それが左右それぞれの乳首の先端に集まり、じんじんと乳首を内面から尖らせる圧力となる。
先端が超過敏になってきた。
ほんの僅かTシャツの内側に擦れただけでもビクンビクンと快感が走り、口から短い吐息が繰り返し出る。
そして完全に勃起してカチカチになった乳首の中心で、ついにピアスが存在を主張しはじめる。
充血した組織を貫く金属棒は、乳首が少し曲げられただけでも、そこに異物が埋まっていることを意識させる。
固く固くしこった乳首は、ピアスの太い金属棒を締め付け、胸の奥に異物感をフィードバックしてくる。
その異物感が、乳首という敏感な組織を貫いている無機質の金属棒から発せられていることを体で知っている私は、軟組織に金属棒という残酷な材質の組み合わせにマゾの心を刺激され、たまらなく感じてしまうのだ。
「はぁっ」
「はぁっ」
「はぁっ」
「はぁっ」
施錠され、ジーンズの奥にしまわれている自分の性器のもどかしさを恨めしく思いながら、上体を艶しくくねらせ、眉を八の字に寄せてオッパイを揉み続ける。
時折キュキュッと乳首を捻り上げ、全身を駆け抜ける甘美な快感に酔う。
「はぁっ」
「はぁっ」
「はぁっ」
「はぁっ」
だめだぁ…… お使い行かなきゃなんないのにぃ……
――ジリリリーン――
わわっ! 電話!
淫らな気分も一気に醒め、Tシャツに潜り込ませてた手を素早く引き抜いて電話の子機をつかみ取る。
「はい、京山ですが」
『もしもし?』
「あっ、なぁんだ良一か」
『なぁんだじゃないよ。何してた?』
――ドキッ!――
「あ、か、買い物の準備。こここれからお使い行くの」
『ノーブラで?』
――ドドドドドキッ!――
いや絶対にカマ掛けてるんだ。
「な、なんのこと?」
すっとぼける私。
『……あのさぁ、こないだ留守宅監視用にWEBカメラ付けたって言ったの、覚えてる?』
「アッ! 忘れてた!」
『全部写ってたぜ?』
「ちょ、ちょっとぉ! 良一、ノゾキ? 趣味わッるぅ〜」
『あのね、自分ち覗いて何がノゾキだよ。付けたばっかだから色々チェックしたくてまめにアクセスするの当然だろ? だいたいカメラの方向だって居間の中心向けてたら陽子のヤバイ姿が写っちゃうから食卓と事務机の方向にしか向けてないんだぜ。わざわざそこで妙なことするヤツが悪い』
「あわわわわわわわ」
『……おしおきな?』
「ひッ! いやっ!」
『だーめ。そのまんま俺の部屋行って』
「うー」
電話の子機を耳に当てたまま良一の部屋へ行く。
「ついたわよ」
『机の一番上の引き出し開けるとボール紙の茶色い箱が入ってるだろ』
「あ、あった」
『それ開けると南京錠が入ってるからさ、その中のカギだけ取り出して』
言われた箱を開けてみると、小型の南京錠がぎっしり1ダース入っていて、カギが1束だけついていた。
「これさぁ、カギが3つしか入ってないよ」
『いいんだよ。その箱の中のカギは全部その1種類のカギで開くのさ。3つ1束になってるのはスペアが2個ってこと。良く見てみな、鍵山が全部同じだから』
「ふーん。あ、ほんとだ。で?」
『同じ引き出しに小さい手提げ金庫があるだろう』
「あ、うん」
『さっきの箱の南京錠を全部解錠してから、鍵をその手提げ金庫に入れてダイアルを回すんだ』
「……うん」
南京錠は本体が真鍮でU字のツルがステンレスのタイプ。
U字のツルが私の親指と同じくらいのサイズで、口枷なんかの細い革ベルトに使う物よりは大きく、革製の手足枷に使うものより若干小振りだ。
ボール紙の箱から南京錠を1つ取り出し、カシャッと解錠してはまた箱に戻す。
「良一ぃ」
『ん?』
「昔にこんな便利なモノあったら、今のあたしは無いかもね」
『アハハハハ、ちげぇねぇ』
すべてのきっかけになった出来事をなつかしく思い出し、自分のおしおきの準備をしているというのに妙に微笑ましい気持ちになった。
南京錠が全部開いたので、同じキーが3個繋がった鍵束を手提げ金庫に放り込み、蓋を閉めてダイアルをぐるぐるに回した。
「やったよ」
『そしたら南京錠の箱を持って食卓に戻って』
言われた通り戻る。
この食卓の様子は良一に筒抜けってわけだ。
さっき何かが動いたように見えた辺りに向かって、アカンベーをする。
「見えてる?」
『あかんべーしてる』
「ちぇっ、お見通しね」
『くだらないことしてないで早く準備して』
「準備って?」
『胸出して』
「ええーーっ?」
驚きながらも渋々とTシャツを脱ぐ。
「……はい、それで」
『その南京錠をピアスの下に通すんだ。要はニップルエレベータディスクの代わりってことさ』
「えーーーーっ!?」
ニップルエレベータディスク、あるいはエレベーションディスクというのは乳首ピアスのオプションで、ピアスと乳輪の間に挿入して乳首を引き伸ばすための、厚みのある金属の円盤だ。
似たようなもので針金の組み合わせのようになっているニップルブリッジというのもある。
南京錠をそれの代わりにしろって……
『はやく〜』
「あーもうわかったわよ! どうせあたしが悪いんだから」
『そうそう』
「あー、一旦電話切ってもいい?」
『んじゃ掛け直して』
「いったいドコから掛けてるの? 『南京錠』とか『おしおき』とか連呼してて大丈夫?」
『病院の屋上の物置』
「なっ、そんなトコでぇ? 大丈夫? 他に隠れてなんかやってる怪しいヤツ居るんじゃない?」
『ちゃぁんと確認した』
「へいへい。 んじゃ掛け直す。10分くらいかな」
『了解』
電話を一旦切って洗面所へ行き、いつも使ってるアルコール系の手指消毒スプレーを持って来る。
まぁ手指用と器具用は違うんだけど、べつに観血処置ってワケじゃないからそのスプレーを南京錠にも掛けて一応消毒オッケーとする。
医者って言っても自分のコトだとテキトーなんだよなぁ。
まず南京錠を一個つまみ上げ、左のオッパイを絞るようにして乳首を尖らせ、乳輪付近を指でつまんでオッパイ本体とピアスとの間に隙間を作る。
そこへU字のツルをぐるりと反対に向けた南京錠をゆっくりと潜り込ませる。
乳首の直径よりU字のツルの内径が微妙に狭い。
乳首を縦に少し潰すようにして、U字のツルをあてがうと、剥き出しの敏感な部分に金属が触れる感覚にお尻がモゾモゾするほどの恐怖を覚える。
医者のくせに、と自分に言い聞かせて、成り行き任せにU字金具の奥いっぱいまで乳首を嵌め込んだ。
乳首周りをU字のステンレスの棒にぐるりと囲まれて、すごく残酷な仕打ちをされている気がしてゾクゾクする。
U字のツルを、乳首を中心にして少し回転させ、ツルの左右の直線部分にきちんとピアスのボールが乗るように調整してから、南京錠本体をぐるりと戻し、ツルと南京錠本体が噛み合う位置に持ってきた。
早速施錠しようと南京錠を上下から押し潰すと、乳首回りの肉を挟みそうになり、焦って手を止めた。
施錠した時のU字のツルの上下の内径は、外れてる時よりも予想以上に小さくなることがわかった。
今度は乳首を上下に潰し、片方の手で周囲の肉を避け、もう片方の手でふたたびゆっくりと南京錠を閉じる。
あーーー
あーーー!
こわいッ!
ガキンて閉じる時の衝撃が。
うー
えいっ!
――バチン!――
小ぶりな大きさに似合わない、硬く大きな音を立てて南京錠が閉じられると、乳首回りがキュッと締まったまま戻らなくなった。
ブルッと震えが全身を駆け抜ける。
アナルに想像以上の太さのプラグを突っ込まれた時のような、快感とも恐怖ともとれない冷や汗が背中を伝う。
乳首の周りにただ重りが付く、という程度に考えていた私の予想は裏切られた。
乳首の根元をしっかり絞られたまま固定されてしまった!
乳首を無理矢理飛び出させる力がかけられている!
この南京錠の微妙なサイズの罠に気付いた時はもう施錠された後だった。
うあっ!
うあっ!
うあっ!
乳首飛び出しちゃう!
戻らない!
戻せない!
いきなり罠に落ちた衝撃に心臓がバクバクと悲鳴を上げ、もう元に戻せない敏感な乳首の突出感に、頭がパニックになる。
左乳首がギューッってつまみ出されている。
普通、乳首をつままれて引っ張られるとオッパイ全体が前方に伸びて胸にかかる重量が減るのに、胸の重さがそのままで先端だけが引っ張り伸ばされてる奇妙な感覚が左乳房を襲う。
あうっ!
あうっ!
あうっ!
乳首がぁ!
乳首がぁ!
うぅ……
おしおきだって言われたから、右のの乳首もやるしかない。
ふと気付いて、その場でジーンズを脱いだ。
もちろん、すでにショーツを突き通りそうなほど染み出ているエッチなおつゆで、ジーンズを汚さないためだ。
ギリギリ間に合った。
ショーツはもうだめだ。
左の乳首の猛烈な感覚が引き続き脳髄を襲う。
絞り出されてる。
尖らされている。
それでいて更に引っ張り伸ばされている。
オッパイがたゆんと揺れるたび先端が重く振られ、絞られて尖らされて引っ張られている張り詰めた感覚が、メリメリと弾けそうな快感に変わる。
そして、それはもう外せない。
ピアスは良一が管理してるプライヤーで回さないと外れないようになってるから、乳首を切り裂かないかぎりこの尖った快感からは逃げられない。
このまま片胸の快感を抱き締めて床にうずくまりそうなのに、もう一方の乳首もこの状態にしないとダメなんて……
悲痛な面持ちで南京錠をもう1個消毒し、右の乳首にあてがう。
左をやった時と違い、既に淫らな毒素が全身に回って、乳首がカチカチに硬くなっててうまく入らない。
倒れそうな自虐的快感をこらえ、指で乳首をギュッと潰し、やっとU字のツルを引っ掛けた。
そのままツルを滑らせる。
ツルの内面が乳首を擦る刺激に倒れ込みそうになる。
片手でオッパイを支え、目の縁に涙を浮かべながら、やっと奥まで嵌め込んだ。
そして再度の施錠の衝撃を予感して心臓が高鳴る。
左乳首の消えない快感も手伝って、指の震えが止まらない。
涙が溢れそうな目で右乳首を睨むように見つめ、肉の挟まりをチェックしながら力いっぱい閉じた。
――バチン!――
目の前が真っ白になった。
短くイッたような気がする。
でも短くイッても安堵と解放は与えられず、結局左右の乳首とも切なく引っ張り伸ばされたまま施錠されてしまった。
あぁうぅぅ。
オッパイの先端が重い。
そしてキツい。
ちょっと試してみてその強烈さにおののき、すぐやめたくなる程の強烈な刺激を、鍵で固定されてしまっている。
電話…… しなきゃ……
子機に手を伸ばすために椅子から腰を浮かせたら、椅子の座面でニチッと恥ずかしい音がした。
もうドロドロだ。
アソコもいじりたくてたまらない。
そしてそんな僅かな動作でも乳首の先がキツく揺すられる。
はしたなさすぎる尖りを少しでも隠したくてTシャツを降ろしたら、ズルッと擦れて、気絶しそうな快感が左右の胸から飛び込んで来て心臓を襲った。
「はうっ!」
口をついて声が出た。
呼吸が一瞬止まったような気がする。
それでも根性で良一に電話する。
2コールで出た。
『もしもし』
「み、見えてるんでしょ? つ、つけたわよ?」
『たった1個ずつ〜ゥ? 残り10個はぁ〜?』
「バカぁ! これ以上なんて考えられないよ!」
『ん〜、まぁ最初はそんなもんかな』
「乳首ちぎれちゃうよぉ」
『ま、ピアスホールいじめても、あとで排除とか面倒だしな』
「すでに限界だよゥ〜」
『じゃ、そのまま行っていいよ』
「ハァ? どどどどこに?」
『どこって、お使いに』
「バババババカ! 無理に決まってるじゃん! ご近所に変態だって知られちゃうよォ」
『それもそうだな。じゃ、車使って三丁目の丸昭スーパー行けば?』
「そ、それならなんとかなりそうだけど…… もういいよぉ…… おうちにいるゥ」
『今夜は餃子だろ?』
「そうだよ。でも皮が足りないから…… あとニラも切れてるし」
『楽しみにしてたのになぁ〜 陽子の餃子はカリッとして美味いからなぁ〜』
「ひいッ! わかったわよ! 行くよ行きますよ!」
『わぁ、うれしいなぁ〜 あ、そうそう、ぱんつ替えてもいいけど、カーディガンとか禁……』
――ブチッ――
電話切ってやった。
カメラのある辺りに向かって、またアカンベーをした。
「あふゥ〜〜」
体を動かすたび乳首が擦れて死にそうだ。
普段なら痛くて耐えられない程のノーブラの刺激も、これだけお膳立てが整ってると猛烈な快感になる。
擦れた時にのみ刺激を受ける状態と違い、常にじんじんとした甘い刺激が胸の先からオッパイいっぱいに充満し、胸板を透き通して心臓をキューーッと締め上げる。
こんな状態のままお使いなんて行けるわけないよぉ。
それよりこの見た目をどうしよう。
Tシャツに信じられないくらい見事に乳首が浮き出て、発情しまくってることを主張している。
下手すると南京錠の角も浮き出て見えるほどだ。
……
……だめだ……
ごまかすにしても、結局あとでおしおき追加されそうな方法しか思いつかない。
正攻法でいくしかない。
仕方なくお風呂場で股のぬめりを洗い、ナプキン貼った新しいぱんつ穿いて、ジーンズを戻した。
そして大きめの買い物カゴと車の鍵を持って玄関に行き、ハタと靴に困ってしまった。
運転があるからスニーカーにしたいけど、今のカッコでスニーカーは足短く見えるし、かといってストラップサンダルはあまり履き慣れないから運転怖いし、でもブーツも運転しずらそうだしと悩んだ揚げ句、結局履き慣れた普段履きのブーツを生足のまま履いて部屋を出た。
うわぁ、ふくらはぎがキツっう〜
あたりまえだ。
ジーンズごとジッパー閉じてるんだもの。
普通ジーンズごとだと余裕があるのを履くもんね。
胸も大変。
ふくらはぎも大変。
もうどうにでもして。
途中同じマンションの人に会いませんように。
玄関の扉から廊下を見渡して、誰もいないのを確認してからサッと出た。
エレベーターは使わずに、階段室を地下へと下りる。
擦れるゥ!
擦れるゥ!
擦れる擦れる擦れるゥ!
私、顔真っ赤だよ、きっと。
階下からカシカシとコンクリートを爪で擦る音がする。
キャッ!
人がくる!
カシカシという音は、犬が爪でコンクリートの階段を歩く音。
当然それを連れた人も一緒に上ってくる、ということだ。
ウチのマンションはペット可だけど、ペットを連れての昇り降りは、階段室か貨物用エレベーターを使うという決まりだ。
私はその犬を、大振りの買い物カゴを体の前に抱えやり過ごそうとした。
四角い螺旋状になった暗い非常階段の陰からハッハッと息を切らせて、まず犬が顔を出し、続いて優しそうな白い髭のおじさんが現れた。
「こんにちは!」
思ったより元気に挨拶され、私もつられて、
「あ、こ、こんにちハウッ!!」
買い物カゴの目地にTシャツの上から乳首を擦られ、目を剥いて固まってしまった。
おじさんが妙な顔で私を見る。
ハッハッと犬が鼻で私のブーツを嗅ぐ。
「こらこらパピちゃん、ダメでしょ? こっちいらっしゃい。どうもすみません」
「あ、いえ……」
会釈して通り過ぎる。
おじさんは私が犬が苦手と思ったらしく、犬が足元に絡み付いたので固まったと思ったようだ。
階段室は踊り場ごとに薄暗い蛍光灯が灯ってるだけだから、おじさんは私の乳首には全く気づかなかったようだ。
蛍光灯の光りにブーツのすねがテカる。
犬の鼻水がついたんだ。
それにしてもパピヨンだからパピちゃんって…… 安直なネーミングだなぁ。
カシカシという音が階段の上へ遠ざかって行ったあと、私は買い物カゴを抱き締めたまま階段を下りた。
買い物カゴのざらつく網目に擦られる乳首の先端が、たまらなく気持ちいい。
自ら3、4回擦りつけると、すごい罪悪感。
おしおきだってのに、階段下りながらこんなことして感じてるなんて。
地下の駐車場に着いて階段室を出る時、カゴを離したらまた南京錠の重さが胸に戻って来た。
装着した瞬間よりは幾分慣れてきたけど、絞り出される感じはずっと続いてる。
階段室での悪戯がドロリとした不快感のツケとなって股に降りてきた。
これで車で事故ったりしたらもう何もかも終わりだぁ。
やっとこさウチの車に辿り着き、キーに付属してるリモコンでガショッと解錠して恐る恐るシートに滑り込む。
ジーンズの縁からTシャツの裾までの間、帯状に剥き出しになってる背中に革シートがヒヤリと感じる。
普段履きのブーツは足底の感覚が慣れているので、思ったより楽だ。
でもふくらはぎがキツくてペダルへの足の載せ替えが億劫だ。
それでもなんとか行けそうなので、胸のポッチを気にしながらエンジンを掛けた。
人間って良くしたもので、これは貞操帯そのものについても感じることだけど、いざ真面目に脳みそ使わなければならない瞬間になると、どんなに快感漬けになっててもスパッと真面目な動作が出来るのだ。
その間、ある閾値以下の性刺激は忘れ去られ、ある閾値以上の性刺激は不快感として認識される。
運転中は乳首が不快に重く感じるだけ。
ハンドル操作でTシャツが引き攣れ、乳首が擦れると痛い。
さっきあれだけ脳髄を蕩かした乳首の刺激が、包帯の下の傷の痛みのような、遠くの不快感に変わっている。
至極普通に運転して、普通に丸昭スーパーに着いた。
ここの駐車場って地下で便利なんだけど、出入り口が車一台の幅しかないから、出庫中の車がいないかどうか気を付けないといけない。
手前は路駐だらけで出入口が見えない上に、もし出庫中だったら二重停車になっちゃうからやだなぁ。
お、今日は空いててラッキー。
ゴウンと地下に突っ込み、奥の店舗入り口寄りに停める。
エンジンを切ったとたん、すごい孤独感に襲われた。
良一が近くにいない状況で、こんな露出に近いセルフ調教をしなきゃならないなんて……
何かあっても全部自分で解決しなければならない。
運転席で自分の胸を見下ろし、勃起したままの乳首が突き出てるTシャツを凝視する。
うわぁ、私マジこんなカッコで来ちゃったんだぁ〜
胸ばっかり気にしてたけど、おへそ丸出し、背中剥き出し、挙句の果てに貞操帯のベルトまで見えていることを思い出し、駐車場の涼しさに今の自分の状況を身体で再認識してしまった。
乳首がまともな状態ですらヤバ過ぎる格好に、運転席に座ったまましばらく動けない。
でも、貞操帯は実はあまり気になってない。
もしこれがもしいつものドイツ製貞操帯ならかなり気にするだろう。
あの貞操帯はもう私の下着と同じで、擦れや汚れ、ゴムのかすれやステンレスの曇り、それらすべてが私の一番汚い、肌に密着した日常を表しているからだ。
毎日穿き潰してクロッチに黄色い染みのついた普段穿きショーツと一緒だ。
同じ面積しか体を隠さないくせに、下着はすごく気になるのに水着は比較的平気なのは、汚れた部分を人前に晒しているかどうかによる。
今着けているベルギー製貞操帯は、私にとっては正に水着の如く「よそ行き」なので、汚れや垢の染み付いた部分が表に出ていない。
ジーンズの縁から覗いているステンレスのベルトだって、その光沢を皆に見せびらかしたいくらいだ。
しかしそんな貞操帯も、尖った状態に絞り出されて施錠されてる乳首と、短いTシャツと、ローライズのジーンズとミックスされた状況では、恥ずかしさを加速する大きな要因になっている。
ああ、降りなきゃ……
車の外は、私が晒し物になるための舞台。
だめだ……
足がすくむ……
頭が真っ白になった状態でしばらくボーッとしたあと、意を決して車を降りた。
買い物カゴで前を隠すようにして小走りに店舗入り口に入り、エレベーターのボタンを押す。
2階……
1階……
B1……
来た来た。
あっ、通り過ぎちゃった。
B2まで行っちゃった……
あ、すぐ昇ってきた……
てことは人が乗ってる……
無人なら扉閉ボタンが押されないから、自動で扉が閉まって昇ってくるまでにしばらく間があるはず。
すぐ来たってことは、人が乗って扉閉ボタンを押したのだ。
あ!
そういえば、この店は防犯のためにエレベータ内の様子が各階のエレベータ前に中継されてるんだった!
ひー!
いきなり晒し者?
あう、戸が開いた!
「いらっしゃいませ。御用は何階ですか?」
「あ、に、2階お願いします」
B2は事務所だから、下で乗ったのは店員さんだったんだ。
――ドキドキドキドキドキドキドキドキドキ――
チラッと天井の防犯カメラを見る。
ああああああ、あの角度から写されたら乳首まるわかりィ〜
早くゥ早くゥ早く早く早くゥ!
2階ぃぃぃ!
勝手にヒートしてる私をよそに、エレベーターは悠然と1階で止まり、のろのろとお年寄りが沢山乗ってくる。
「恐れ入りますが、奥までお繰り合わせくださーい」
さっきの店員さんの声が響く。
ちょっと、イヤッ!
通勤電車じゃないんだから、そんな無理矢理……
あヒッ!!
乳首ぐちゅーって!!
買い物カゴごと!!
あーーーー
あーーーー
あーーーー
あーーーー
感じるッ!
感じちゃうッ!
歪んだ涙目をしたまま、潰される私。
その状態からは、あっと言う間に2階についた。
ハァッ……
ハァッ……
ハァッ……
ハァッ……
あう! 降りますっ!
ハァッ……
ハァッ……
ハァッ……
ハァッ……
売り場に着くだけでもうクタクタ。
買い物カゴ抱えたまま俯いて、ジンジンする胸の先っぽを休めていたら、後ろでヒソヒソ声がする。
「すげぇ」
「コルセットかな」
「ファッションだろ?」
自分のことだと気づいて一瞬ビクッと身を固くしたけど、そっちを振り向く勇気なんて無い。
俯いたままカーッと頭に血が昇り、耳の付け根まで真っ赤になった。
もうおうち帰るゥ〜
良一のバカぁ!
でもここでうろたえたらもっと恥ずかしいことになるので、真っ赤な顔のまま、聞こえない振りしてゆっくりと体を起こし、振り向かずに売り場に向かって歩きはじめた。
このスーパーは殆どの客が1階からエスカレーターで2階へ上がって来るので、その上がり口にしかカートと買い物カゴが無い。
エレベーターは下りエスカレーターの前にあるので、エレベーターで降りた人はエスカレーターの周りを売り場半周して、上り口にあるカートとカゴを取らないといけない。
チーズ売り場の前を横切って上りエスカレーターの方へ回る。
すぐ脇は冷凍物コーナーなのでお腹周りがスースー寒い。
自前の買い物カゴがまた乳首に擦れ、おへそ周りは買い物カゴの底付近で擦れてチクチクする。
連なったカートを引き抜き、中の仕切りの金網をカシャーンと嵌め込んで、そこへ売り場の買い物カゴを載せる。
まだ場所に余裕があるので、自前の買い物カゴを手前に載せ、前方からの視界を遮る。
押し手を両手で掴み、かなりの前傾姿勢にして乳首が見えないようにして、さらに脇を締めて左右からの視界もガードした。
おかげで背中はかなり捲れ上がってすんごい恥ずかしい。
背中に黒っぽい産毛が生えてたらどうしよう。
まさかこのカッコで外出するなんて考えてもいなかったから、産毛とか全く未処理で、確認すらしていない。
ガラガラとカートを押す。
ガツガツとブーツで床を踏み締める。
お腹周りがゾクゾクするほど寒い。
2階は生鮮食料品と冷凍物・冷蔵物のコーナーだから、普段ですら1枚余分に羽織ったりしてくるのに……
お腹回りの寒さが、とんでもないカッコで買い物に来ていることを身に染みて感じさせる。
あ、白菜安ッ!
ガツガツと2つカゴに入れる。
ああん! 乳首擦れるよぉ!
恥ずかしいよぉ!
うわっ! モロに見られた!
会社員風の人に!
すぐに目線逸らせてくれたけど、それってしっかり見られた証拠。
急にキューーーッて乳首が痛くなってきた。
うわぁぁ! 興奮して血が集まって、更に硬くなったんだ。
南京錠を掛けられ、解放されない狭い内径いっぱいに、限界まで乳首がしこってズキズキする。
ドロリと濡れだした。
やばい……
頭の中がエッチな気分でいっぱいになってきた。
貞操帯のメッシュの直下で、ピアスに貫かれ剥き出しにされてる私のクリトリスがカチカチに尖ってる。
クリトリスを挟む左右の肉が、微妙な強さで尖らすように捩り出す。
やば……
歩きにくくなってきた。
白菜をドスドスと店内用のカゴに投げ込むと、乳首の刺激に加え、こんなところで感じて濡らしてる恥ずかしさも手伝って、真っ赤になって俯いて早く買い物を終わらせようと足早に次へ進んだ。
上気した顔を下に向け、涙目で睨むように目線だけ上に向けてチラチラと売り場を見ながらカートを押す。
うわっ! 中トロ安ッ!!
「奥さーん! 中トロメッチャ安いよ! ワケありだよ! 仕入れすぎだよ! 持ってけ泥棒! コンチクショウ!」
売り場担当の掛け声が響く中、カートを押して冷蔵の陳列棚に接近する。
接近しながら眼力フルパワーで良いパックを見定めて、ぴゅぴゅっと2柵カゴに入れた。
「まいどッ! 絶対お得だよ、奥さん! この次この値段は絶対無いからねッ! ダンナぁ大喜…… ゴクッ……」
ぎゃあああ!
声が止まっちゃったよぉ!
見られた見られた見られたよぉ!!
真っ赤になって力を込めてカートを押し去る私の、剥き出しの背中にチクチク視線が刺さってるゥ!
もぉやだぁ!
急いだら余計にクリトリスが擦れちゃって、思考が削がれてきた。
相変わらずTシャツの下で乳首がジンジンと絞り出されて尖ってる。
南京錠の角も食い込んできて痛い。
ああ…… 肝心の餃子の皮とニラ…… どこだっけ……
うわっ! 牛肉安ッ!
どぉして黒毛和牛がこの値段?
よく見るといつもなら3パックくらいしか並んでない高いお肉のコーナーに20パックくらい並んでる。
これも仕入れ過ぎ?
POSのトラブルかなんかで多く入れちゃったのかしら。
ああああこれを買わなきゃ主婦じゃないッ!
漬け込みスキヤキ用に5パックも突っ込んだ。
ああーーーーッ!
乳首がジンジンするっ!
お股が熱くなってきたぁ!
こんな状態でイクの? 私。
くうっ! まだ我慢できるっ!
イク直前で収まった。
真っ赤なまま、ビクビクと過敏になった股間をかばいつつ、ソロソロとカートを押して行くと、もうパンのコーナーになってしまった。
あれ?
餃子の皮どこだっけ?
ニラも忘れてる。
あーーっ!
最初の方、白菜を掴んだ辺り!
今いる所からずーーっと戻らないとだめだぁ!
はふっ……!
はふっ……!
はふっ……!
はふっ……!
もう拷問の領域。
スタスタ歩けば40歩ほどしかないフロア反対側の棚が、宇宙の彼方のように遠く感じる。
またうしろでヒソヒソ声がする。
「……股……」
「……ちが…… ……ない?」
「漏ら…… ……かもよ」
ギョッとして自分の股間を見ると、ナプキンなんかとうに決壊してジーンズに染み出してる。
激ヤバ!
周囲の人に真剣にバレてるんだ。
エッチな服装で買い物に出掛けてグチョグチョに濡らしてる、いやらしい女がここにいるって。
もう恥ずかしさで死にそう。
涙目でカート押して、やっとニラの所まで戻り、すぐ側にあった餃子の皮もカゴに入れた。
あの時白菜に目を奪われていなければ、反対側にあったニラと餃子の皮に気づいてたのに。
自業自得でハマりまくったけれど、ようやく目的を達することができた。
安売りなんか無視して、目的の品だけ買っていたならとっくに終わってたのに。
それに衝動買いし過ぎた物が多くて、しかも重くて、店内用のカゴ2つを両手に提げなければならなくなってしまった。
カートのまま会計という手もあるが、1階に降りるためにまたエレベーターに乗るのは御免だ。
ああ、全裸より恥ずかしい。
尖った乳首。
濡れてるのがバレバレの股間。
後戻りすることもできず、ただこのお使いミッションを完遂することしか現状を解決する道がない。
ズキズキする胸に気を取られながらも背筋を伸ばし、キッと口を結んで前を見て、右手に重い方の店内用カゴを、左手に軽い店内用カゴとウチの買い物カゴを掴んでエスカレーターで降りた。
もうジロジロ見られてもいい。
早く済ませておうちに帰りたい。
レジはわざと若い男性のレジを選んだ。
女性、つまり同姓は、残酷なほど奇異の目で蔑(さげす)むに決まってる。
かといって年輩の男性のねちっこい視線は耐え難く、下らない冗談まじりに何か質問でもされたら相当ムカつくと思ったからだ。
うまい具合にレジがスッと流れてすぐに順番が来た。
「おまたせしましたぁ! いらっしゃいま……」
レジの男性は私を見て、そして一瞬目を剥いて、すぐに視線をレジへ戻した。
真っ赤になったまま何も言えない私。
でも、同姓のイヤミっぽい視線よりも、あるいは年輩男性の卑しい視線よりも、純粋にこの姿にときめいてくれる方がまだ救われる。
あ、ついいつもの癖でポイントカード出しちゃった!
カードには番号しか印字されてないけど、あとで調べれば住所も名前もバレバレに決まってる。
正体が知られちゃうッ!
ドーッと冷や汗が背中を流れ落ちる。
しかしその店員さんはそれどころではない緊張した面持ちで、ピコッピコッと商品をスキャナーにかざしてる。
「い、一万二千八百三十二円です」
結構いったなぁ。
いくら安いとはいえ、すき焼き用高級国産牛肉5パックも買ったからなぁ。
支払い済ませて、また2つの店内カゴと自分の買い物カゴをむんずと掴み、すばやく壁際の荷造りコーナーへ移動する。
大振りのマイバッグをがばっと開け、最初に白菜突っ込んだらあとはもう流し込むようにバラバラと移し替え、店内カゴを放り投げるように返却用キャスターに嵌め込んで、ダッシュでその場を離れた。
早く!
早く!
早く!
地下に!
地下に!
地下に!
のろのろと店内に上がってくるお客さんたちを突き飛ばさんばかりの勢いで、地下に向かって階段を降りる。
重い荷物を抱えてドスドスと階段を降りると、振動でまた胸がキューーッと感じて来た。
うああっ!
もうちょっとなのに!
車に乗り込むまで20mもないのに!
顔面蒼白になって快感のパニックをやりすごそうとしたら、今度は貞操帯の奥でまたクリトリスが擦れだした。
ドスッ、ドスッと階段を1歩降りるたび、じいいぃんと快感が股間から駆け登ってくる。
とりあえず買い物をやり遂げたという安心感が、私のこらえ性を削いでいた。
勃起が完全にできないため射精できない男性用貞操帯装着者と違い、女性の場合はある条件が揃えば理屈の上ではイクことは可能だ。
普段は絶頂への最も確実な手段であるクリトリスへの接触が許されないため、自分だけの意志でイクことはできない。
しかし、これだけ徹底的にお膳立てされて、あとちょっとの刺激でイキそうな場合、クリトリス周り小陰唇のとの擦れや、貞操帯内面との軽い接触なども充分な刺激となりうる。
今、まさにそんな絶頂の縁にいる。
階段の手摺りにもたれるようにしたら、腰の部分で見えてる貞操帯のベルトがゴン!と当たって剛体を介した刺激が直接クリトリスを襲った。
ブルッと身震いする。
ジワッと涙が溢れる。
次の段に降ろしかけた足がフルフルと震え、一瞬、光も音も消えて視界を失った。
「ンーーーーーッ!!」
さすがの私でも、歯を食いしばってすら声が出る。
降ろしかけた足に力は無く、そのままガクンと前のめりに転びそうになった。
階段はあと2段。
そのままジャンプするように最後の1段は飛ばして降りた。
ブルンとオッパイが揺れるすごいショック。
(あひいィーーーーッ!!)
絶叫だけは免れたけど、目から火が吹き出すほどの快感ショック。
すさまじい刺激が脳に流れ込み、ごく短くイッた。
駆け降りたり、突然動きがのろくなったり、ブルブル震えて立ち止まったり、私ぜったいヘンな奴だ。
もう体裁なんてかまってられなくて、逃げ込むように車に乗った。
荷物もそのまま助手席の床に置いた。
歩きながらの短い絶頂がもの足りなくて、もう車に乗った安心感から貪るように自分でオッパイを揉む。
あふっ!
あふっ!
あふっ!
先っぽジンジンしてきもちいい!!
アダルトビデオに出てくるポーズのように、自らのオッパイを絞るように掴んで指先で乳首をいじる。
いまだ厳しく南京錠で絞り出されて、指でつまむと千切れそう。
でもこの張り詰めた緊張が痛いほどに気持ちいい。
10分くらい一心不乱に揉んで、あることに気づいた。
いくら続けても、もうイケない……
やだ。
もっともっと深くイキたい。
さっきの階段での絶頂程度じゃ中途半端だよぅ!
ああ、このままじゃ自分の首を絞めてしまう。
あそこまで人生捨てるつもりで露出調教に晒されないと、貞操帯嵌められた身体じゃイケないんだ。
ああどうしよう。
まだ死にそうに火照ったままイケない〜〜!!
ハァッ!
ハァッ!
ハァッ!
ハァッ!
ハァッ!
ハァッ!
とっ、とにかく帰ろう。
オッパイから手を離し、目を閉じて深呼吸する。
エンジンをかけ、無理やりCDをかける。
ハァッ!
ハァッ!
ハァッ……
ハァッ……
少し紛れてきた……
この間に帰ろう。
額の汗を拭ってから一度深呼吸し、車を発進させた。
いざ車が走り始めると、往きと同様、不快感程度にしか感じなくなる。
身体の奥に悶々とした気分を残しながら家に着いた。
車の運転がマトモだからって、車を降りた私をそのままにしてくれるような南京錠ではなかった。
地下の駐車スペースに停めてエンジンを切ったとたん、今度は家に帰り着いた安堵感でまた感じ始めてしまった。
そしてもっと恐ろしいことに、さっきのお店での露出調教を思い出しながら部屋まで歩き、その間にうまいことクリトリスが擦れてイケれば、という邪(よこし)まな考えまで思いついてしまった。
バレたら大変なのはお店の比じゃないっていうのに。
今度は良一の意志じゃない。
私が自分で気持ち良くなりたいからやるのだ。
車を降り、ドアロックを確認し、胸の突起を突き出しながら、至極ふつうに歩いてエレベーターに向かう。
買い物カゴが重い。
駐車場はシーンとしていて、出入りの車は無い。
―― にちっ ――
―― にちっ ――
―― にちっ ――
―― にちっ ――
ヌチョヌチョの股間をうまく擦り合わせて、歩きながらオナニーしている気分。
はふっ。
はふっ。
はふっ。
あああイケる。
この調子だとイケるよぅ。
嬉しいよぅ。
きもちいいよぅ。
はふっ。
はふっ。
はふっ。
ああ、エレベーターに着いちゃった。
ちぇっ。
はやくはやくぅ。
はやく続きぃ〜
―― ポン ――
電子音を伴ってエレベーターが開く。
歩く刺激が気持ち良くて、ずっと歩き続けていたい。
そっちに気を取られていたため、中から人が出てくるとは思わなかった。
「キャーーッ! ふわぁっ!!」
前半は素の悲鳴。
後半はイク時の声。
エレベーターから出てきた男性のすぐ後ろで、気をやる私。
体がビクンビクンと痙攣する。
溢れる嗚咽も悲鳴も、破裂しそうなこめかみに力を入れて、ぐるんと呑み込んだ。
脳を蝕む興奮の奔流に、滲むように視界を溶かされながら、倒れるようにエレベーターに転がり込んだ。
ふうっ!
ふうっ!
ふうっ!
やったぁ!
ちょこっとイケたぁ!
きもちいいよぉ!
でもまだまた足りないよぉ!
はふっ
はふっ
はふっ
ふーーっ。
ふーーーーっ。
買い物カゴは床に放りぱなしで、ドンと背中を壁に預け、真四角な狭い天井を仰ぎ見ながら息を整える。
……
……!!?
エレベーターが動かない!?
こんなタイミングで故障による閉じ込めかと真っ青になったが、自分が階数ボタンを押すのを忘れてるだけだった。
悪酔いした時のように何もかもが投げやりで、突き壊すほどの勢いで階数ボタンをバチャンと押した。
再び天井を仰ぎ見る。
Gが掛かって、カゴの中で白菜がゴトリとずれる。
1階で止まりませんように。
1階で止まりませんように。
1階で止まりませんように。
あっさりと2階に着いた。
続き続き〜
ぬっちょぬちょの続きィ〜!
エレベーターを降りてから、半分コワれかけてきて、わざとらしく股をヌッチョヌッチョ言わせながら部屋までの廊下を名残り惜しげに歩いた。
鍵を開けて部屋に入り、汗でじっとり足が内張りに張り付いたブーツを脱ぐ。
大きな荷物を台所に放り込み、手を洗うのもそこそこに服を全部脱いでソファーに腰を落とした。
エレベーターで少しイッたのが呼び水になって、もっと快感の高みを渇望してる。
仕方ないので胸を揉んで揉んで揉んで揉んで、そうだ南京錠外せばいいんだって思いついた。
……?
どわわわわつ!
私、何考えてるんだろ。
漠然と『家に帰り着けば外せる』って思ってた。
鍵は手提げ金庫の中だから、外せるわけないのに。
ああん!
外せないって思い出したら、またジンジンして来たぁ!
これだけあらゆる責めに慣れて来た私が、久々に出口の見えないパニックに陥る。
はひッ!
はひッ!
はひッ!
はひッ!
気が狂うよぉ!!
はひッ!
はひッ!
はひッ!
はひッ!
なんとかしてぇぇ!!
自分でオッパイ揉み狂う。
こんな姿、とても良一に見せられない。
「うおっ、やってるねぇ」
って!?
「ギャーーーーーーーーーーッッ!!」
「いいねぇ乱れる奥さんってもの」
「あわわわわわわわわわわわわわわわわッッ!!!」
言い訳できない状況で、ただ何もできずあわてふためくだけ。
貞操帯だけの全裸のままエビのように体を丸め、ソファーに縮こまる。
「やあッ! なによぅ! 早いよォ! 一体どうしたの?」
「悪い? 単純に仕事が早く終わったのさ。きっと悶々としてるだろうから早く解放してあげようかな〜って思ったのに」
「あうあうあう、そそそそれはありがとおお」
「それとも、そのままが気に入っちゃったのかな?」
「いやああ! もう限界だよう!」
ぐすっぐすっと泣き出す私。
「仕方ないなぁ」
良一は壁のキーボックスから貞操帯の鍵を取り出すと、仕事から帰ったままの姿で下だけ脱いだ。
今日は貞操帯をしていないのか、いきなりボロンと剛直が飛び出す。
そしてそのまま私に近づき、ガチャッと私の貞操帯を解錠した。
貞操帯のバックルから、分厚いステンレスの閂(かんぬき)が飛び出て施錠が解けた。
まだ腰ベルトは抜かれていない。
「自分でオッパイ揉んでいていいよ」
「ばかっ! 誰がっ! やんないわよ!」
涙目で怒る私に構わず、南京錠を内蔵した五角形の強靭なステンレスの貞操帯のバックルから、左右の腰ベルトを引き抜いた。
ステンレスの剛体だけで構成されているいつものドイツ製貞操帯と違い、このベルギー製貞操帯は多数の蝶番を持つ構造なので、鍵が外れるとすぐにクタクタになり腰回りからガチャリと外れ落ちる。
貞操帯のシールドが、粘液の糸を引きながらソファーの上に裏返しになり、ドロンドロンの私のアソコが剥き出しになった。
良一に無理矢理お股を開かされ、潤みきって光沢すら放つソコは、突っ込めば何でも入りそうな浅ましい穴に見えた。
甘い緊張感が張り詰める。
良一のソレが、目に前にある。
ゆっくりと、近づいてくる。
抗う心と、期待する心。
一瞬の葛藤と、呼び覚まされる愛情。
「ひ」
言葉にならない一語を絞り出した直後、心から安らげる極太が侵入してきた。
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
きっと私、眉をしかめながら笑ってたと思う。
欲しいものを欲しい時にもらえる喜び。
欲しい時にもらえちゃうから、あたしってダメダメ奴隷なんだよなぁ。
全身が総毛立つほどの快感がつま先から頭のてっぺんまで駆け抜ける。
良一が、外した私の貞操帯をソファーから払い落として、本格的に私を突きだした。
ややゆっくりめのストロークでぷちゅっ、ぷちゅっといやらしい音を立てる。
たった数回のストロークでもうあっさり昇りつめる。
私のアソコが、自分のものじゃないみたいなすごい力でガツーンと良一のモノを握り締める。
「うおっ!」
良一が呻く。
プチュッ、
プチュッ、
プチュッ、
とスピードを上げ、短いストロークで突く。
「あンッ! あンッ! あンッ! あンッ! あンッ!」
「あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ・あ!!」
ブルブルガクガクと昇る。
と、いきなり良一がずるんと抜いた。
「いま抜いちゃやだぁ」
「バカ、出ちまう」
良一は跪いてゴムを着け始める。
ゴムを根元まで降ろすまでの間、体を曲げて、口を器用に私のアソコに付けてクリトリスを吸う。
「ふわぁぁあああ!! 飛ぶ! 飛んじゃう!」
れろって舐め上げられるだけで失神しそうな快感の衝撃がある。
ゴムを着け終わった良一のモノがまたズドンと入ってきた。
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
また絶叫。
こんどは心おきなく中を擦ってもらえた。
プチュッ
プチュッ
プチュッ
ジュップ
ジュップ
ジュップ
プチュッ
プチュッ
プチュッ
ジュップ
ジュップ
ジュップ
カクカクカク
プチュッ
プチュッ
プチュッ
ジュップ
ジュップ
ジュップ
プチュッ
プチュッ
プチュッ
ジュップ
ジュップ
ジュップ
カクッ カクッ キュッ!
突っ込んだまま、南京錠で縊(くび)られた乳首を引っ張られた。
ボボッと目から火花が出た。
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
乳首引っ張られたまま良一を抱き締めた。
無理矢理良一にキス。
貪るように舌を絡め合う。
再び昇りはじめた。
「んむっ! あむっ! んっ! んっ! んっ! んっ! んっ!」
乱暴に口と口を合わせ合う。
ガクガクガクガクと痙攣が止まらない。
「ひ! ンーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!」
全身が縮こまったようになり、熱い固まりが体の中心で弾けた。
パアアッと空を飛んで、奈落の底まで落ちる感覚がして、意識を失った。
……
誰かがチクチクと乳首をキリのようなもので突いている。
痛いなぁ……
……
こんどはチクチクが股間に移った。
イテテテ
クリトリスのピアス穴が焼けるように痛い。
ハッと気づいて目を開けた。
「オフッ?」
うわっ、猿轡!
てゆーか、タオル押し込まれた上からボールギャグを噛まされている。
「お、気がついた?」
「オフォフォフォ?」
ソファーにもたれた体勢から体を起こそうとしたら、ガキンと手首に衝撃を感じた。
後ろ手に手錠が掛けられている。
そして乳首とクリトリスのピアスにそれぞれミノムシクリップが取り付けられ、お腹の上に載せられたボックスに電線が伸びている。
乳首に嵌められた南京錠は外してあった。
「ンーー!?」
「あ、それ? 次のおしおき」
なによそれ!
おしおきされたばっかりなのに!
「ロコツに不満そうだね。おしおきの最中に自分でオッパイ揉み狂ってたの、だーれだ」
「ウグッ!」
「それを我慢するのがおしおきなのにさ。だから追加の、とっておきのおしおき」
良一が手にした黒い箱をグッと握ると、左右の乳首とクリトリスがチクチクと痛みだした。
「フグッ!」
一般にピアスに電流を流すというのは、快感の受容体を直接刺激して絵的に萌えると思われがちだが、とんでもない。
痛いのだ。
だから、拷問やおしおきならともかく、
……
おしおきならともかく?
ギャー! おしおきだったー!
反論できないので涙目でイヤイヤする。
「ハハハハ、心配しなくて大丈夫だよ。それ以上強く流さないから。あ、でも言った通りにしないとバチンといくかもね」
「フヒッ!」
「さて、練習開始だ。まずこれね」
チクッ! チクッ! チクッ!と両乳首に3回の軽い電気ショック。
「この合図は『立て』だよ。はい、立って」
そのままスッとソファーから立ち上がったらお腹の上からボックスが滑り落ちた。
ビーンと電線が引っ張られ、乳首に痛みが走った。
「フグッ!!」
ボールギャグの隙間から悲鳴を上げた。
「あ、悪い悪い」
かんべんしてよぉ。
完璧に近い良一もたまに失敗する。
痛ッたーい。
良一は急いで小さなウエストポーチを持ってくると、裸の私の腰にパチンと巻いて、その中にボックスを入れた。
「これでよし。今度は『前進』だ」
両乳首が1回だけチクッとした。
「それが『前進』の合図ね。『止まれ』の合図があるまで前進し続けるんだ。『止まれ』はこれ」
両乳首とクリトリス、3箇所同時にやや強めの電撃。
「フゴォッ!」
ちょっとびっくりして体を硬直させた。
たしかにこりゃ止まるわ。
「そして右乳首1回が『右へ90度曲がれ』、左乳首1回が『左へ90度曲がれ』。止まってる時なら、その場で向きを変えるんだ」
コクコクと頷く。
「よし、実際にやってみるよ?」
良一は無言で送信機を握りしめる。
ぼんやりその手元を見つめていたら、ピクンと両乳首に電流が走った。
とすとすと歩き始める。
数歩歩いたところでピクンと右乳首にきた。
右に向きを変え、とすとすと歩く。
また右にピクンと来た。
しばらく歩くとまた右に。
居間を四角く一周して、再びソファーの前に戻って来たところでビクーンとクリトリスまで3点に電撃が。
「オグッ!」
心臓に悪いなぁ。
止まったまま、こんどは左にピクンと来た。
その場で左に90度向きを変える。
ソファーに向き合ってしまった。
また左。
同様に90度。
また左。
同様に90度。
「えっと、『座れ』はクリに1回ね」
ピクンとクリトリスが軽く電気に引っ張られた。
そのままゆっくりとソファーに腰を下ろす。
「お、上出来だね」
「フォッヘフォンファフアアアヒフォフォファヘンフォ?」
「なんでこんなくだらないことさせるのかって? こうすればわかるかな?」
良一は革製のアイマスクを持って来て、私に目隠しをした。
「ンーーーーッ!」
こんな責めにも慣れているとはいえ、いきなり目隠しされるとやっぱり怖い。
ピクンピクンピクン! 両乳首に3回。
真っ暗な視界の中で、恐る恐るソファーから立つ。
さっきまでエッチなことしまくってたので、目隠しされるとなんだかフラフラして平衡感覚があやしい。
ピクン!
右に1回。
その場で右に90度…… あれ?
角度が曖昧だな。
その瞬間、両乳首とクリトリスに激痛が走った。
「ゴフッ!!」
籠った悲鳴を上げて後ろ手のままその場にうずくまる。
「だめだよ。ちゃんとキッチリ90度向かないと、思った方向へ着かないよ。今のがおしおき用電撃。かなりクルでしょ?」
かなりっていうか、痛いわよバカァ!
呼吸を整えて立ち上がる。
良一が私の肩を持ち、体を回す。
「ここまでいかないと90度になんないよ」
「ン……」
素直に頷いて、感覚を補正する。
ピクン!
こんどは左。
慎重に……
このぐらいだっけ?
ビリビリッ!!
「ゴフッ!!」
またうずくまってしまった。
もおやだぁ!!
「フォンアイフィイフィイフンア!!」
「怒ったってだめだよ。ちゃんと出来るまでやるから。このあと45度も覚えないと実用になんないからね」
「エフッ…… オフッ…… グスグス……」
本格的に泣いても許してくれそうになかった。
結局それから2時間ほど訓練させられ、解放されるや否や、気を失うようにソファーに倒れ込んで寝入ってしまった。
深夜に目が覚めた。
手錠は外されていて、貞操帯は戻さず、ピアスだけの全裸という非常に珍しい状態のまま毛布が掛けられていた。
体中がゴッキゴキ。
体はベタベタのまま寝たため、それが乾いてあちこちがガビガビだった。
汚れたまま放置されていた貞操帯を持って、鉛のように重い足を引きずって、お風呂にドブンと浸かる。
こんな時ばかりは24時間風呂で良かったと思う。
少し体がほぐれて、やっと落ち着いた。
髪の毛も洗う。
今日も仕事なのに、昨晩は調子に乗り過ぎた。
良一も良一もだよ、あんな人をロボットに造り替えるような訓練させて……
……
……ロボットに…… されちゃうの……?
全身さっぱりしたところで、貞操帯も洗浄と消毒をしてまた嵌めた。
あー、この方が落ち着くから不思議。
この安堵感は常時装着者じゃないとわかんないわよね。
お腹すいたぁ〜!
昨日のお昼から何も食べてないもん。
結局ギョーザはどうなったのよぉ!
牛乳でも飲もうかと冷蔵庫を開けると、いびつでヒダの少ない生の餃子が、大皿にいっぱい、それはそれはきれいに並べてラップしてあった。
プッ!
良一が作ったの?
良く見ると、冷蔵庫の扉に『カリスマ主婦20人のウチの餃子自慢』というホームページをプリントアウトしたものが磁石で貼ってあった。
専門外でも、とりあえずなんでもやっちゃうのが良一の器用なトコだけど、どうしても越えられない指先のコツってのもあるようだ。
ヒダが上手に折れないくせに、不必要にきれいに並べるってのが良一らしい。
中身もどうだかわからないのでちょっと怖いな。
さすがに今から焼くわけにいかないので、気持ちだけいただいておこう。
牛乳をゴクゴクと飲んで、歯ぁ磨いて、目覚ましがきちんとセットされてるかを確認し、ソファーで寝直した。
――ピコピコ――
――ピコピコ――
――ピコピコ――
目覚ましに起こされ、良一を起こして、支度して仕事に行く。
ある程度疲れが取れれば、普通の日常だった。
その夜。
「今日も練習するぞ」
「練習っていうか、これこそ『調教』だよね。ポニーガールっぽいな」
「あはは、確かにそうだな」
あははじゃないだろうって思いながらも全裸に剥かれ、今日はちゃんと電極が用意されていて、それをクリに着けた後、貞操帯をいつものドイツ製のに戻した。
乳首もさらに小型のクリップ電極になっていた。
あらためて良く見ると、電極は単極ではなく、小さなパッドと一対になっていた。
最初に着けられた時は気を失っていて、着けられるところを見ていなかったから、どこがプラスでどこがマイナスか知らないけど、乳首から反対側の乳首へ電気流して心臓大丈夫かなって思ってた。
でも、これなら乳首もクリトリスもそれぞれ独立して電気が流れるわけだから、一応安心だ。
……安心じゃないよ!
逆に心置きなく強い電気流せるってコトじゃん!
あううう……。
考えてみれば右乳首だけ、とか独立して刺激するわけだから、この仕掛けは当たり前なのだけれど。
手は後ろ手で手錠。
アイマスクをされ、今日はボールギャグはなし。
「いつでもどうぞ」
「いくよ。左右とも2回連続の刺激で45度だからな」
「うん」
早速、右乳首にピクピクときた。
慎重に…… 45度右斜めに向く。
――ドキドキドキドキ――
……大丈夫だったみたい。
また右にピクピク。
慎重に……
よし。
今度は左にピクピク。
だいたい掴めてきたぞ。
左にピクピク。
よしよし慣れて来た。
――バチン!――
「ぎゃっ!!」
その場にうずくまる。
「痛ッたいなぁーー! ひどいよ」
「あー、じゃぁおしおき用はもうちょっと弱くする」
「最初からそうしろよぉ!」
「陽子にはそういう自由は無いの。文句言う自由はあるけど」
「ぶーー。」
アイマスクを外された。
本来正面向いていなければいけないのに、少し斜めだ。
「最後、ちょっと気ィ抜いたろ」
「……うん……ごめん」
「はいはい、調教続けるぞ」
「『調教』って言うなぁ! さっき『練習』って言ってたじゃん」
「陽子自分で『調教だ』って言ったじゃん」
「あう。それは……そうだけど」
「『調教』『調教』『調教』『調教』」
「いやああぁぁぁあ!」
あうっ。
濡れて来た。
ほんとにポタリと垂れそうだったので、その場にしゃがんでしまった。
「ほら、おしおきボタン押すぞ〜」
「い! いやっ!」
急いで立ち上がる。
「さあ、もう一回」
「はぁぁあい」
アイマスクを戻された。
それから2時間くらい『調教』された。
電撃で言うこときかせるんだから、やっぱり『調教』だよね。
「今日はこのへんでおしまい」
「ぷあぁ! 疲れたぁ!」
アイマスクと手錠を外してもらい、ドスンとソファーに腰掛ける。
「今日はもう1つやることがあるんだ」
「また乳首いじめでもすんの?」
「ちがう、これ」
良一が持って来たのはA3版くらいの大きさのビニール袋。
「なにそれ」
「いつかさ、ドールにしてもらったろ? あそこの新製品」
「ふーん。そのビニールが?」
「うん。これ、ビニールとゴムの中間で、熱収縮性があるんだ」
「それを何に使うの?」
「まあ見てなって。支度する間、ゆっくりしてていいからさ。コーヒー飲む?」
「うん」
良一は手早くエスプレッソを一杯抽出すると私に渡し、ガタガタと準備を始めた。
居間の真ん中に台所の椅子を持って来た。
そして壁からそこまでテーブルタップを引き、掃除機とドライヤーを置いた。
それを見ながら、私はエスプレッソをちゅっと啜(すす)って、ホーッと溜息をつく。
なんかまた妖しい責めが準備されてるというのに、頭がボーッとして次のことを考えられない。
「よし、準備できたぜ。この椅子に座って」
「へーい」
居間の端のソファーから、居間の中央の椅子に移動する。
硬い座面に貞操帯がゴンと当たる。
「ん」
自ら手を椅子の後ろに回す。
「アッハッハ、何やってんだよ。拘束必要ないって。顔の型を採るだけだから」
「そ! そ、そうならそうと早く言ってよぉ!」
自分から拘束をおねだりした格好になったのが恥ずかしくて、そのままの姿勢で真っ赤になった。
「はい」
ガチャリと手錠を手渡された。
「な、なによ」
「物足りなさそうだから、自分で掛けて」
「ちょ! バッヵ……! ……はい……」
反論を呑み込んで、背中に手を回し、カチカチと自ら手錠を掛けた。
もう、ゆで蛸みたいに真っ赤。
あー恥ずかしい。
「やっぱり、そーゆー陽子もかわいいなぁ」
「ふん、何も出ませんよーだ。ぁあむッ……!」
くちゅくちゅとキスされた。
良一はすぐに口を離し、ニヤニヤ笑ってる。
「ずるいよぉ…… こんな時だけ……」
目まで潤んできちゃったじゃないかぁ!
「よーし、そしたらまずこれだ」
ちょっと真顔に戻る。
良一が取り上げたのは2本のビニールチューブ。
長さが10cmほどで、先端が膨らんでいる。
まるでツクシだ。
「顔上げて」
それを鼻の穴に差そうとする。
「いやっ!」
声は出しても受け入れるしかない。
結局左右の鼻にチューブを差し込まれた。
「フンッ! フンッ!」
「バカ、そっとしとけよ。抜けちゃうだろ」
「ろうすんろよ」
「見てなって。次は耳な」
耳栓のようなものを左右の耳に押し込まれた。
「聞こえる? 音を封じるわけじゃなくて、鼓膜保護だから大丈夫だと思うけど」
「らいりょうぶ。きこえる」
「よし、そしたらこのビニールを合わせて……」
良一は最初に見せたビニールを、まだ開いてない状態で私の横顔に当て、2箇所にマーカーペンで印をつけた。
そしてそこを切り抜くと、私に頭から被せた。
「ら、らり? ばきゅーむ?」
「まぁ、それもある。でも言ったじゃん、『顔の型』だって」
良一は鼻の穴の位置を確認すると、一度そのビニールを私の頭から外した。
「今度は口開けて」
「あーん」
ゴボッとゴムの塊を押し込まれた。
「ちゃんと噛んで」
グブッと噛み込むと、歯がきれいに内部の窪みに収まった。
「よーし、本番だ。これ目に貼るから目ぇ閉じて」
目の形をした黒いプレートを2枚持っている。
目を閉じるとその上に優しく押し付けられた。
「目玉動かせる?」
瞼の中でギョロギョロと動かして見る。
「ン」
「そっと目を開けてみて。まつげくっついてない?」
そのプレートの内側で目を開ける。
プレートは浅いドーム状になっているらしく、まつげと瞼が持ち上がるだけの空間が確保されているようだ。
しかしプレートが真っ黒なので何も見えない。
「ン」
「よし」
ガサガサと音がして髪の毛がなでつけられ、水泳キャップのようなものが被せられた。
そして再びビニール袋が被せられた。
今度は鼻のチューブをちゃんとビニールの穴に通したようだ。
「ちゃんと鼻で呼吸して」
言われてはじめて気づいた。
ずっと口で呼吸してた。
――プスーッ――
――プスーッ――
――プスーッ――
「もうちょっと口元普通になんない? カタいよ」
んなこと言われても。
「少し笑ってみ?」
ますます困る。
「しょうがなぃなぁ」
頭の後ろでガサガサ音がする。
ビニールが絞られた感じで、周囲の音が急に籠るようになった。
ガラッ、ガラッ、と掃除機のコードを引き出すような音がする。
しばらくして、シーンと静かになった。
……?
あ!
乳首舐められた!
「ンッ!」
ビニールの中に吐息を吐く。
「そのまま口を閉じたままで」
「ンッ!」
まだ舐められてる。
「ンッ!」
「ンッ!」
「ンッ!」
ズビューーンとすごい音がして顔にビニールが密着した。
「ンーーッ!」
「もう少し穏やかな顔にして」
んなこと言っても……
「ンンンンンン!!」
おへそ周りをくすぐられた。
「あ、いいね。そのまま……」
今度はゴーーッというすごい音がして、顔が熱くなってきた。
あつつつつ!!
すると顔に密着していたビニールの圧力が急に抜けて、フニャフニャになったと思ったら、今度は全体が均等な圧力で締め付けてきた。
鼻のわきや、目の周り、口角など、細かなところがキュッと密着してくる。
またズビューーンと掃除機で引かれ、さらに密着したところで、再度ゴーッと熱くされた。
ドライヤー?
今度はさっきまだ甘かった顎の下や、耳、下顎角部が密着した。
さらにズビッと短く引かれ、仕上げをするかのように顔全体にまんべんなく熱が当てられた。
「えーと……」
手順を考えている良一の声が遠くに聞こえる。
そのうち後頭部でジャキッとすごい音がして急に楽になった。
良一は切り裂く方向を考えながらやっているらしく、圧力は逃げてもまだ脱がせてもらえない。
何度かジャキジャキやったあと、頭頂部から前方向へベロンと剥がされ、やっと脱がせてもらえた。
鼻のチューブもいっしょに抜けた。
水泳キャップも脱がされ、頭が楽になった。
口のマウスピースも出させてもらった。
「ぷぅー」
「ごくろうさん。あ、目のヤツね」
左右の目の黒い板を剥がしてもらい、やっと見えるようになった。
「それ、どうするの?」
「うちの病院がエピテーゼを任せてるとこ知ってるでしょ?」
「さっき言ってたドールのところね」
「そうそう。そこにこれを渡すと、陽子のマスクが出来るのさ」
「それを、まさか誰かに被せるの?」
なんだか私のコピーを作られて、弄ばれる気がしてちょっとムッとした。
「そう、被せるのさ」
「だ、誰に?」
「陽子に」
「なぁんだ、あたしにか。よかったぁ。 ……って! まさか!」
「そう、今度は生身の顔そっくりそのままの全頭マスクを被ってもらうのさ」
「でも、それって、意味あるの?」
「あるもないも、大有り」
「だって、誰かに見られるわけでなし……」
「見られるよ。大勢に」
ドッと冷や汗が噴き出た。
「まさか……」
「あのドールじゃ外出できないだろ?」
「い! いやああああ!!」
つい先日の露出調教の快感が頭の中に渦巻く。
そこへ感覚剥奪のドールの快感がプラスされる。
――ドック!――
――ドック!――
――ドック!――
――ドック!――
居間の中央で、後ろ手錠で呆然と椅子に座ったまま、焦点の合わない目で良一を見る。
「陽子は視覚と聴覚、顔の皮膚感覚、そして言葉を剥奪されるんだ。そのまま街中に連れ出され、乳首とクリトリスの刺激だけを頼りに歩かされるのさ」
――ドック!――
――ドック!――
――ドック!――
――ドック!――
「そんな……」
それ以上言えなかった。
あのドールのような、感覚剥奪のまま、あの丸昭スーパーでの出来事のような露出に晒されるなんて……
もちろん、見られるのは私本体ではない。
見られ、晒されるのは、私の『皮』。
しかしそれは、歪められ、貶められ、拘束され、圧迫された私自身のコピーなのだ。
さらに、今度はこの前のように色々と自力でごまかすことができない。
何も見えず、聞こえず、喋れないのだから。
指示どおり的確に動いて最悪の事態にならないようにしなきゃ。
「も少し練習する……」
「お、いいね。やっと状況を理解したようだね」
「今まで説明しなかったくせに」
「じゃ、もう少し『調教』してやろう」
「『練習』!」
「はいはい」
それからまた1時間ほど練習して、やっと遅い夕食をとった。
今はTシャツに短パンだ。
「あーヘンなものついてないと体が楽だわ」
「首輪も貞操帯も慣れたみたいに、あれも常時着用にするか」
「ばか、やめてよ」
「あー、でもオリジナルのマスク、楽しみだなぁ」
「うん…… あたしは素直に喜べないって立場だけど、興味はあるなぁ」
「そうだったね、ハハハ」
翌日も『調教』もとい『練習』。
その翌日も、仕事が遅くて30分程度だったけど『練習』。
さらに翌日。
「陽子、ウイッグ持ってるよね」
「うん。ロングだけど」
「どうする? 今の髪形と同じようなのも買う?」
「それってムダじゃない? ……まさか、あのマスクであたしそっくりにして外出させる気?」
「うーん、迷ってるんだけど」
「やっぱ素はまずいよ。誰に会うかわかんないし。偶然遠くからデジカメで撮られてたってわかんないもん」
「そうだな、ロングでいいや。全頭マスクなんかの関係で普段は短い方が便利だけど、実際ロングの陽子も好きだし」
「そ、そりゃありがと」
そしてついに決行の日がやってきた。
おしおきとはいえ、プレイをきっちり計画してから実行するなんて久しぶり〜!
素直にドキドキしちゃう。
明日はお休みなので、多少体に負担がかかってもなんとかなる。
今日はアポインント調整して午前のミーティングと回診だけ済ませ、夫婦揃って午後から休み。
こうしておくと街中で知り合いにバッタリ会う確率がぐっと減るのだ。
そそくさと職場を引き揚げ、あたしこれからリモコンの人形に……されるんだ……
リモコンの人形に……
リモコンの人形に……
自宅からは徒歩通勤なので良一と一緒に帰る。
「どうした?」
潤んだ目で良一を見上げる。
「エッチになった」
頬が赤い。
耳も熱い。
自分でわかる。
「ハハハ、そういうところがちっとも褪せないから、ずーっと陽子と一緒で楽しいよ」
「あ、ありがと」
帰り着くとすぐに支度をはじめた。
基本的にスッピン大好きな私だけれど、患者さんに失礼でない程度にファンデーションを使い、控えめな色の口紅も引いている。
それらを全部落とし、腋やアソコの毛もきれいに処理しなおす。
産毛も除毛ローションで落とし、剥き身の真っ裸になる。
この儀式めいた脱毛処理がすでに私の被虐の心を焙り、はしたなく濡れはじめてしまう。
「きれいだな、惚れ直すよ」
「うー。なんか今回ヨイショ多くない?」
「いんや、全然普通ですけど」
そうなんだよ。
コイツは普通に面と向かって『愛してる』とか言えるヤツなんだよ。
お浣腸して腸内のもの全部出して、シャワーを浴びて身支度を済ませ、居間に戻る。
居間に素のまま立つ私の前に、良一がアイテムを並べて行く。
これから自分がリモコン人形に仕立てられて行く過程を想像して、もう夢見心地になっている私。
「さて、まず何からいこうか。尿道?」
「ヒッ! 痛いのヤダよぉ」
「大丈夫だと思うけど」
「うう……」
良一に言われる前に、その場で両足を開く。
「ローションいらないね」
「恥ずかしいよぉ」
既に滴るほど濡れていた。
良一がオペ用グローブを嵌め、滅菌シートの上に乗せた細い棒をつまみ上げる。
それに小さなシリンジ(注射器)を差し、私の前にしゃがんだ。
そして左手で私のツルツルの割れ目を押し開き、さらに粘液でネットリ閉じ合わされたおま○このビラビラを開くと、その細い棒の先端を尿道口に押し当ててゆっくりと差し込んだ。
「ウッ……」
思わす顔をしかめる。
何回やられても、この尿道に物を差し込まれる感じって嫌だ。
入り口がゴロゴロして、腰が引けそうな程の尖った快感が発生する。
それがだんだん奥に移動して、排泄のための繊細な細い管状の器官が犯されている気持ちになる。
そしてどんどん入ってきて、とうとう無力に排尿させられる。
ジョボジョボと漏れ出るおしっこを良一が傍らのバケツで受ける。
犯される被虐感と強制排泄の汚辱感。
それらが混然一体となってピークに達したところで、シリンジで小さなバルーンを膨らまされ、尿道に張り詰めた緊張を抱えたまま固定されてしまう。
「ああッ……!」
感極まって声が出る。
良一はバルーン用の穴からシリンジを抜き取り、まだポタポタとおしっこが垂れている排尿用の穴に小さなゴムキャップを押し込んだ。
「今回は特に排尿は関係ないから塞ぎっぱなしで大丈夫」
「じゃぁ何のためにこんなことすんのよぉ」
「ああ、これ電極なんだ。前にやったろ?」
――ゾクウッ!――
背筋に悪寒が走る。
ニセの排尿感で脳みそメロメロにされちゃったことがある。
「あわわ」
「あれは電極が10もあったけど、これは3つだけ」
「それでも怖い〜」
「大丈夫だってば。次いくそ」
「次は?」
「やっぱお尻かな」
「はぁあぃ。どうすればいい? 四つん這い?」
「そこまで太いのじゃないから、立ったままでも入るよ」
それを聞いてちょっとだけ胸を撫で下ろした。
良一は銀色の縦縞が入った透明アクリルのプラグを準備し、それにローションではなくワセリンをたっぷり塗った。
私は回れ右をして、良一にお尻を向ける。
予告なく指が入ってきた。
「ンッ……」
内部にまんべんなくワセリンを塗り込まれる。
「たいした太さじゃないから、もう入れるね」
「優しくお願い〜」
「へいへい」
ぞんざいな返事をしながら良一は冷たい先端を私のお尻の穴に押し当てた。
ぎゅーっと押されると、抵抗するしないに関わらず先端数ミリは勝手にめり込んで来る。
それを内部に引き込むように、力を抜く。
すると良一に押されたプラグは途中までは勝手にぬぬぬぬと入って来る。
『大した太さじゃない』というのを全面的に信用するなら、もうコクンと最大径を通過して、くびれまで呑み込んでもいいような気がする。
するとメリッと痛みが走った。
「あ痛ッ」
「もうちょっとだぜ。ほら、がんばれ」
「うそつきィ! 太いよォ」
「これより細いと、歩くたびプップとガスが漏れちゃうぜ?」
「そうかぁ」
ちょっとだまされた気もするけど、いまさらやめられない。
「ちょっと待ってて」
頭の中を切り替えて、排泄するようにいきむ準備をする。
「ん…… いいよ、押して!」
うんち出すつもりでいきむ。
排泄の為に肛門がぷわっと突出し、パアッと思い切り開く。
プラグは一度排泄されそうになるが、すかさず良一に押され、神経が身構える手順を逆に進みながら奥へとが侵入してくる。
ゴリッと最大径が敏感な内面を擦り上げながら通過する。
「アーーーーーーーーーッ!!」
汗が飛び散るほどの衝撃的快感に絶叫する。
「アーーーーーーーーーッ!!」
長いよぉ! まだ入って来る!
さらにぎゅーーっと押されるとヌルンと閉じて楽になった。
「ハァッ……」
「ハァッ……」
「ハァッ……」
「うそつきィィー! 太ッといじゃない! しかも長いし!」
「まぁまぁ」
「ひどいー」
「でも入ったじゃん」
「うがー」
「さて、こんどは前ね」
「はうぅ…… 前なんて…… 突っ込まれただけでイキそう……」
「いいよ、好きなだけイッて」
「消耗して死んじゃうよ」
良一はそれには答えず、ニヤニヤしながらアソコに突っ込むディルドーを出した。
それを見て、私はゴクリと唾を呑んだ。
ナマコのように、両端が丸まった短い本体。
表面を覆う無数の浅いイボ。
波状にうねった腹部。
それが金属の軸に縦に貫かれている。
全体の形を例えて言うなら、太くて短いガマの穂だ。
以前にも挿入されたことがある。
もっともその時はもっと凹凸の少ないシンプルな形だった。
ナマコのような本体は、それを縦軸方向に貫いている金属の軸に完全には固定されておらず、軸に沿って自由に上下に移動するようになっている。
アソコから引き抜く時には、ちゃんと終端が引っ掛かって取り出せるようになっているが、膣内ではその引っ掛かりに邪魔されることもなく自由に動けるのだ。
これを挿入されると、自分の膣内の筋肉のうねりで、これが勝手に移動して、どんどん気分が高まってくる。
それを意識して強く締めると、そこから逃げて、また他の部位を刺激する。
そしてまたそこを締めると、ズルリと逃げてしまい、あちこち勝手に移動して、女の芯を炙り立てるのだ。
単純な構造なのに恐るべき機能を持った、永久生殺しディルドー。
それにあんな凶悪なイボがついてるなんて……
なまじ凹凸の差の大きいイボのほうが見た目には残酷に見えるが、このディルドーの機能を知っている私から見れば、締めると逃げやすくできているこの浅いイボの方が数倍残酷に見える。
「大洪水だね。さすがに自分がどうなっちゃうのか、わかってるんだね」
「いやぁ…… 言わないで……」
「入れるよ」
淡々と言うと、良一はそのディルドーを握り締め私の入り口にあてがった。
緊張感なく事務的に押し込んでくる。
トロトロにほぐれ切っているソコは、苦もなくそれを呑み込んだ。
良一が人差し指で後押しするように全部入れると、良一の指の先まで呑み込んだあと、中で勝手にヌヌヌヌヌッと奥へ入った。
「ああん!」
太めの嬌声。
本来なら軸の根元は貞操帯のシールドに固定されるのだが、今回の貞操帯には合わないので特別にプレートがつけてある。
良一は軸を全部押し込み、プレートが入り口に密着するまで押し付けた。
気分的にもうメロメロになっている私は、自ら腰をくねらせそうなほど興奮している。
もぞつく腰の動きに気づいた良一は、手早く作業を進める。
「もうちょっとだから待ちなって」
「アウンン……」
「けだもののようだね」
「だってぇ……」
「もうちょっとだから。もうちょっとでその気分のまま封印してあげるから」
ああっ!
そうだった!
『もうちょっと』で刺激をもらえて、イケるわけじゃないんだ。
このトロトロでメロメロな気分のまま封印されて……
そして拘束されて……
そして露出させられて連れ回されるんだった!
良一はコードを数本持って来ると、クリトリスのピアスと、尿道の短いカテーテルと、今入れた膣のディルドーと、アナルプラグにそれぞれ繋いだ。
そして貞操帯を持ってきて私に渡した。
「これ、自分で持ってもらわないと、カタカカタしちゃってだめだ」
言われた通り左右の腰ベルトを腰に当てたまま手で押さえると、良一が電線を取り回しながら股のシールドを被せてきた。
こんなにゴテゴテ機械を挿入されたまま貞操帯で封印されるのって、正直怖い。
でもロボットにされてゆくイメージと重なり、またまた濡れてしまう。
シールドが股間に密着したところで、自分で左右の腰ベルトを中央のバックルに挿入する。
「自分で掛ける?」
「良一が…… 掛けて……」
一番最初に貞操帯を着けられた時のような、甘い絶望の気分が湧き起こる。
――カチリ――
冷たい金属音が、私の性器がロボットに組み込まれたことを告げた。
次に良一は小さな黒い箱を持って来ると、それに電線を全部繋げた。
その箱はタバコの箱の4分の1くらいの容積で、薄くて小さかった。
良一は電線をうまくまとめると、お尻の上にある貞操帯の背中側のバックルに両面テープで貼った。
「ねぇ、おっぱいはいいの?」
「もう1個あるよ。ちょっと待ってて」
ああもうやぶへびだ。
まず良一は乳首のピアスに電極を取り付け、その上から紐なしビキニのトップを着けた。
要するにブラの代りだ。
「合ってる? さすがに着けたことないからなぁ」
「合ってるけど、こう、左右の収まりが…… キャッ!」
私が言い終わらないうちに、良一が水着のトップを左右にスライドさせて収まりを直した。
こういった動作はいくら夫婦でも、パンツの食い込みの微調整を他人の手でさせるような恥ずかしさがある。
水着のトップが安定したら、乳首の電線をもう1つの小さな黒い箱に接続し、それを水着の背中に固定した。
電線は長さが調整してあったのか、ぴったり皮膚に沿って収まり、たるむことは無かった。
「パンツも穿いてよ」
「えっ? いいの?」
「いいよ」
渡されたのは水着のボトム。
要はビキニの水着が下着代りってことだ。
「ねぇねぇ、ナプキン貼ってもいい?」
「それはダメだ」
「なんでよぅ」
「濡れてるのがわからないじゃん」
「ちぇ」
しぶしぶそのまま穿く。
背中側に取り付けられた2つの黒い箱に気付かなければ、あと、貞操帯を無視すれば、なんてことはない単なるビキニ姿。
でも私の体内には、おぞましい電極のついた怪しい器具が何本も挿入されている。
『着付け』が終わると、少し緊張がほぐれてだんだんと挿入された異物に意識が移ってくる。
尿道がヒリヒリと異物の存在を主張しはじめた。
同時にアソコに入れられたナマコ型のディルドーも、ヌルヌルと膣内を移動して、持って行き所の無い性刺激をドロドロと膣内に発生させはじめた。
少し体を動かすと、アナルの奥深く挿入されたアクリル製のプラグが、いつもより激しく深く差し込まれていることかわかる。
「まだ自由に喋れるうちに、チェックしとくか」
ドキッと緊張する。
これらの器具がそれぞれどう動くのか、なんとなくは分かっても、具体的には知らされていない。
「真っすぐ立って」
少し嫌そうな表情をしつつ、真っすぐ立つ。
「乳首とクリトリスは分かってるから、テストだけ……」
ピクン! と右乳首が引っ張られた。
「右、来たよ。 ここで向き変えるの?」
「今はいいよ。チェックだけだ」
今度はピクンと左に来た。
「左も来た」
「おっけー、次」
今度は腰を少し引く。
ハンッ! クリトリスに来た。
「来たよ〜」
「おっけー、大丈夫みたいだね。じゃぁ次、尿道」
「えーーっ?」
騒ぐ私を無視して、良一がリモコンを押す。
下腹部にチクン!と刺すような刺激があって、おしっこ出しっぱなしにしてるみたいに、ジリジリとその刺激が続く。
「ひいぃ〜〜 気色わるい〜」
「さらに追加」
「何よ? ああ!!」
おしっこジリジリが二重奏になった。
あああああああ!
おしっこ出してる時の、尿道を水流が刺激するあの感じが、下腹部の2箇所に踏みとどまって、ジリン、ジリンと快感の上澄みだけを脳に送り込んで来る。
何とも名状しがたいこの奇妙な快感がすごいイヤ!
きもちいいけど不愉快!
「妙な顔してるなぁ、陽子」
「良一も自分でやってみろよぉ!」
「フフン」
なんだか良く分からない笑みを漏らす良一。
多分、自分でも実験してるよコイツ。
でもまぁその姿を想像するのはヤだから、気を遣ってくれてるってことで許そう。
フッと刺激が消えて、楽になった。
「こんどはお尻ね」
「え?」
息つく暇も無く、次の責め具をテストされる。
「う、わーーーーーーッ!!」
いきなりグワーーッとお尻が抉(えぐ)られ、叫び声を上げた。
お尻の周囲の筋肉が内部に落ち込むように収縮し、アクリルの太いプラグをS字結腸突き破らんばかりに引き込んだのだ。
「あぐっ! 深い! 深いよぅ!」
「路上で同じことが起こるんだから、良く慣れておきなよ」
「ひいっ! 無理よぅ! こんなの!」
衆人環視の中で自らの筋肉が引き込むプラグに突き込まれて、打ち上げられたエビのように腰を前後に動かしながら、なすすべもなく跳ね回る自分を想像してドボリと音がしそうなほど蜜を吐いた。
さらに良一がリモコンを操作すると、一旦筋肉が緩み、ヌヌヌと無音でプラグが抜けてきた。
実際には貞操帯のお尻の溝を通るバーに当たるまでしか抜けないから、ほんの僅かのはずだけど。
その状態からすかさず筋肉を収縮させられ、プラグが突き込まれる。
「わーーーッ! わーーーーッ!」
――ヌッチュ――
――ヌッチュ――
――ヌッチュ――
――ヌッチュ――
「ああああああああ! もうわかったからぁ!」
プラグの運動が止まった。
はあっ……
はあっ……
はあっ……
「んああああぁん……!」
お尻の運動に刺激されて、膣内であのディルドーがヌルリと移動し、あまりの快感に鼻にかかった声を出した。
すごい……
今からこんなじゃ、本番の時はどうなっちゃうんだろう。
「全部ちゃんと動作するようだね。じゃぁこれ穿いて」
デニム地のホットパンツに貞操帯メーカーの腰ベルトを通した物を渡された。
「げッ! 何作ってんのよ! こんな目立つの穿くの?」
「どうせ陽子だってわかんないよ」
「う〜 まあいいか」
しぶしぶ足を通し、腰まで引き上げる。
硬いステンレスのベルトが通してあるので、太もものあたりを通すのに一苦労だ。
ホットパンツの前のボタンを止めてチャックを上げ、貞操帯の左右のベルトを圧迫するような形で腰ベルトを閉じると、良一が腰ベルトをおへその前で合わせてロックした。
「なんで貞操帯があるのにわざわざこんなことするの?」
「今説明する。手ぇ出して」
「ん。」
両手を差し出すと、いつものステンレスの手枷より幅の狭い、ピカピカに磨かれた手枷を嵌められた。
幅が狭いといっても、全く同じ堅牢なロック機構で、一生でも装着させられる品質だということがよくわかる。
手枷は左右独立していて、それぞれにナスカンと呼ばれるバネ式のフックが付いていた。
ナスカンて、よくキーホルダーや定期入れ用のチェーンに使われているアレね。
左右の手枷をナスカン同士で繋げば、手錠タイプの拘束になるはず。
でも良一は左右それぞれの手を、ホットパンツの後ろポケットに入れさせた。
「もう少し手を入れてみて」
「こう?」
私はポケットの奥まで指先を押し込んだ。
「うーん、もっと浅くしてみて」
「こう?」
今度は指先だけが隠れる程度に浅く入れた。
「んじゃ、そのままにしてて」
手首がクン!と引っ張られ、カチリと音がして、手が前に戻せなくなった。
「な、なに?」
「このステンレスの腰ベルトは後ろの左右にDリングが付けてあるのさ。そこにナスカンを繋いだんだ」
「うわぁ、マジこれで外を歩かせる気?」
「後ろポケットに手を入れてる姿勢は、別に不自然じゃないぜ? まぁ、しげしげと見られれば拘束されてるのバレるけど」
「もうどうにでもしてよ」
「うん」
「ちぇっ」
良一は一度ナスカンを外してくれた。
私はまだ上半身は水着ブラのままだから。
「はい、これ着て」
「なーんだ、結局Tシャツ? 芸が無いの」
「ちょっ、おつ、俺だってなぁ、婦人服売り場でさんざん…… あーもう命令だから、着ろよ」
良一はちょっとムッとして顔を赤くしながら答えた。
それを見てじんわり嬉しくなっちゃった。
「うふふ。はぁあい、ご主人様」
手枷の引っ掛かりに注意しながら、短めのTシャツに袖を通す。
派手な柄のプリントに、でっかい象のマーク。
「ちょっとぉ! ブランドもの? 良一にしちゃ珍しいじゃない」
「いいじゃん、別人に変身するんでしょ? ちょっと派手でも」
「あっはっは〜! へぇ〜 ねぇ、プレイの時以外でも着ていい?」
「いいけど、今日万一誰かに見られてたら、あとで陽子だってバレちゃうぜ」
「そっかぁ〜 いいもん、家で着るから」
「年中ハダカのヤツが何言ってんだ」
「あうぅ〜 そうでした……」
「さて、いよいよ全頭マスクだね」
「見せて!見せて!」
「じゃーん」
サイコロのような形をした大振りの手提げカバンから、良一がファントーム(頭骸模型)を取り出す。
スキンヘッドのそれは、後頭部が編み上げになっていた。
良一がくるりとそれを私に向けると……
「うわぁ! あたしって、こんな顔?」
「髪の毛無いと実感わかないよね」
こちらを向いたその顔は、まさに私。
少し瞼を落とし気味にして、薄く微笑んでいる。
皮膚も、のっぺりとした均一な肌色ではなく、皮膚の下の静脈の模様まで薄く透けて見えるようだ。
ただし、スキンヘッドと目が不気味。
「目はなぁ…… すげぇ良くできてるんだけど、実物の目玉の上に乗る構造だから、奥行きが取れなくてイマイチだな」
確かに、ガラスで作るにしても、奥行きがないと本物っぽい深みが出ないようだ。
「目は、サングラスかな」
「かけてもいいなら、その方がいいな」
「いずれにしても見えないんだし」
「あ! そうか〜!」
ホントに大丈夫かな。
「そうそう、全頭マスクの前に口枷だ。口枷っていうか歯枷ね。今回もあの先生に特別に作ってもらったやつ」
「ひいっ!」
良一の言う歯枷とは、知り合いの歯医者に頼んで私の歯型を採り、噛み合わせを再現する機械にマウントして作ってもらった、非常に精密な代物だ。
ボクシングのマウスピースそっくりのU字形で、入れ歯用とおなじ材質の透明アクリルでできている。
歯列の内側に入る部分が固定式で、歯を外側から覆う部分が、左右と前歯の部分に分かれてネジで開く構造になっている。
ネジをゆるめてこれを口に入れ、ネジを締めて左右の歯と前歯を内側と外側から挟み込むと、私の歯型そのままに作られた内面の凹凸が精密に歯を保持し、上下の歯が一塊となって、口を開くことが出来なくなるのだ。
口はほぼ閉じた状態になるが、上下の噛み合わせの隙間をネジが通り抜ける分だけは開いた状態になる。
もちろんその隙間もプラスチックで満たされているので、口での呼吸はほとんど出来ない。
「陽子って、喉で叫んでも結構な声が出るんだよな〜 はい、あーん」
口を開けると、小ぶりなスポンジのボールを押し込まれた。
「開いたままにしとけよ」
すぐに歯枷が押し込まれた。
大きなプラスチックの固まりをカチャカチャと舌で動かし、しっくり収まる位置を探した。
カクンと上下の歯が凹凸に収まり、舌のある側のパーツが歯に密着した。
「舌側大丈夫か?」
「ン。」
良一はそれを確認すると、私の唇をむにゅーんと右に引っ張り、特殊なドライバーでネジを締め始めた。
歯がほぼホールドされる所まで締めると、今度は左を締め、続けて前を締めた。
そして私の下顎をゆるいこぶしでトントンと叩き、微妙な歪みを追い出すと、さらにネジを締め込み、完全に歯に密着させた。
こうなるとどんな口枷よりも強力で、上下の歯が顎全体とともに一塊となり、ピクリとも動かせない。
「(ンーー!)」
喉の奥〜の方で、辛うじて声帯が震える。
呼吸も、完全に鼻だけが頼りだ。
「ンフーー」
「ンフーー」
「ンフーー」
「ンフーー」
体にギッチリ詰め込まれた器具や、オッパイの電極に加えて、生きるための機能、呼吸という機能を制限されると、とてつもない絶望感が襲ってくる。
良一を信じて、全てを任せる、甘美な絶望感。
身体を拘束されるという自由剥奪よりも、もっと真剣で、しかも甘美な、『生命を預ける』という絶望。
バキュームラックやUW、ガスマスクとも共通する完全拘束の中での呼吸制限。
それを今回、なんと街中を歩きながら実現してしまおうという良一の仕掛け。
これから被せられるリアル全頭マスクの拘束感を想像しながら、ほとんどイキそうだった。
ふるふる、ビクビクと感じまくっている私の耳に、良一が耳栓を押し込んだ。
最初は棉を。
その上から、膨らむタイプの柔らかい耳栓を半分にカットしたもの。
そしてその上からシリコンの粘土を。
シリコンの粘土は、たしか歯科用の型採り材だ。
シーンとした耳に、ゴゴゴゴゴという自分の身体のノイズと、ドクンドクンと強調される心音が響く。
良一が、肌色の全頭マスクを持って近づいて来る。
「…… ……、 ………… ……」
何か言って煽ってるみたいだけど、何を言ってるか聞こえない。
「ンンン!! ンフーー!」
す、すごい!
何も出来ない!
ただ突っ立ったまま、顔を拘束されるのを待つだけだ。
ますます情けない絶望の表情になり、目尻に涙がじわっと浮く。
髪をなでつけられ、ガバッとマスクが被せられた。
今までのマスクと違うのは、被せられても真っ暗にはならず、肌色の明るい空間だということだ。
しかし、目に当たる部分の黒いパッドが近づくと、次第に暗闇に押し込められる緊張感が迫って来る。
このリアルマスクの素材は、シリコンのようにしっとりしているのにビニールのように突っ張る硬さがある不思議な素材だ。
ちょっと待って!
鼻の部分の内側に突起がついている!
ああ!
入って来る!
鼻の穴に!
プスープスーと、か細く呼吸している穴をいきなり塞がれそうになるとかなり恐怖を感じる。
しかし、それは筒状のものだったらしく、一瞬の抵抗の後は普通に呼吸できるようになった。
最後に良一が全体を後ろに引っ張り、鼻と頤(オトガイ)部がすっぽり嵌まったら、全体がみっちりと適合した。
良一が後頭部の編み上げを順に絞っている。
頭頂部からうなじにかけて、上から順にきつく締められる。
すごい!
すごいよ、この圧迫感!
革の全頭マスクでさえ、僅かずつ伸びるような甘さを感じるのに、肌の微妙な凹凸すら固定されてしまいそうな厳しさだ。
視界は真っ暗、自分の鼓動以外、無音の世界。
――ドックン――
――ドックン――
――ドックン――
――ドックン――
――プスー…… ――
――プスー…… ――
――プスー…… ――
――プスー…… ――
良一は編み上げを全部締め終わったらしく、余った紐の端をうなじにぐいぐい折り込んで始末している。
突然、パチンと軽い音が脳内に響いた。
ああ、きっとうなじに南京錠掛けたんだ。
それを後頭骨からの振動として耳に感じる。
次に首がグーッと絞められ、そのままガキンと固定された。
ああ、首輪だ。
いつものステンレスの首枷。
全頭マスクの厚み分だけ余計に絞まって苦しい。
そして、左右のこめかみに圧迫が……
きっとサングラスだ。
なんだか少しだけホッとした。
そして……
ああ、この感じがウイッグね。
頭全体が重くなり、首を捻るのに抵抗感がある。
露出した腰回りに、サラサラと髪の毛を感じる。
ロングでこの服装ってくすぐったいなぁ。
良一、写真撮ってくれないかなぁ。
あとで絶対見てみたいのに。
良一がポンとお尻を叩く。
ついに……
できあがりってわけだ。
どんな私になってるのか想像もつかない。
ん?
良一が、何かを手に握らせた。
……?
……リモコン?
指を添えて……こう?
指先で案内されるままにボタンを押すと、鼻の穴がブーンと唸った。
……?
フン……
フーン!
フーーーーン!!
プスッ!
プスーーーッ!!
突然、顔面蒼白になり、恐怖が頭に渦巻く。
呼吸ができない!
出来なくはないけど、激しく制限されている!
スーーーーーピッ!!
ピッ!
スピッ!!
まるでガズマスクを装着された時のように、新鮮な空気が僅かしか入ってこない。
良一がまた指を案内して、私に別のボタンを押させた。
また鼻の穴の中がウイインと唸って、突然呼吸が楽になった。
私、もうなにもかも封じられて、鼻で呼吸する自由しか残ってないのに……
それも封じられるなんて……
……ウッ……
……ウッ……
……ウッ……
あまりの残酷な仕打ちと、窒息の恐怖の余韻で、マスクの中でポロポロと涙が出た。
それは目を覆う黒いキャップの内側に溜まり、涙が目に染みるが、拭うことが出来ない。
それが悔しくて、またポロポロと涙が出た。
でも泣きながら私はどんどんアソコが熱くなるのを感じてる……
排泄や、顔の感覚をなにもかも剥奪されて、言うなりのロボットにされて、感じまくってるはしたない私。
涙はやがて鼻涙管から鼻に抜け、手で鼻に触れようとすると、まさに糸を引きながら鼻水が垂れる瞬間だった。
「…… …………」
良一が何か言ってるけど聞き取れない。
すぐに鼻が拭われ、少しスッキリした。
鼻の頭が押された。
……?
また、押された。
何かが鼻にあてがわれている。
…… 『鼻をかめ』 かな?
ズビーームと鼻をかむと、頭を撫でられた。
カツラとマスクを通してだから、なんとなくしかわからないけど。
良一は優しく私の手を取ると、さっきTシャツ着る時に外されたままだった手枷のついた手首を、後ろポケットのあたりに持って行った。
私は自ら左右の指を、それぞれのポケットに潜り込ませる。
すると無音で手首が引っ掛かる感じがして、もう手が動かせなくなった。
チクッ! チクッ! チクッ!
うわっ!
いよいよ来たッ!
両乳首に3回の軽い電気ショック。
『立て』だ。
でももう立ってるので、姿勢を正した。
手は後ろポケットのままだ。
はふっ!!
いきなり抱き締められた!!
どうしたのよ、急に……!
今の私の姿が良一のツボにすごく嵌まってるとか……
うわ、抱き締めて頬擦りしてるのがわかる。
キス…… してるのね……
唇が熱い。
こんなビニール越しでも熱く感じるんだ……
ふあああああ!
私ももっと感じてきちゃったじゃんかぁ!
おま○こドロドロだよう!
こんなハードなことしてるくせに、ソフトなことすんなよぅ!
私も良一に抱きつきたいのに手が動かせなくて悔しいぃ!
しばらくして良一はそっと離れ、両乳首にピクッと1回電撃が来た。
『進め』の合図だ。
全身をロボット仕様にされた状態で、ゴッテリと重い下半身をかばいつつ、静寂の暗闇の中を乳首とクリトリスの刺激だけをたよりに歩み始めた。
いくら練習をしたとはいえ、音すら奪われた状態では足の裏の感覚だけが頼りだ。
平衡感覚も怪しい。
続く指示が何も無いので、直近の指令を継続する。
つまり、歩き続ける。
うちの居間を、そろり、そろりと。
右の乳首にピクッと来た。
右に直角に向きを変え、まだ歩き続ける。
良一が先回りして廊下のドアを開ける感じがする。
そのまま真っすぐ歩いて玄関のマットを踏んだな、とわかる所でビクン!と3点同時に引っ張られる感じがして立ち止まった。
「…… ……」
何か言ってるみたいだけど聞こえない。
肩を抱かれるようにして玄関に腰掛けさせられた。
左足をタオルのようなもので拭われ、ブーツが履かされた。
ジッパーを上げられると、ふくらはぎが苦もなく閉まるので、これはふだん履きのブーツだと思う。
右足にも履かされた。
両乳首にビクン!
「ンフッ!」
いきなりやるなよぉ!!
ああ、心臓に悪い。
よっこらしょっと……
あう!
立てないよぉ!
自分ちの玄関でもがく、情けない私。
良一が手伝ってくれてやっと立った。
しばらく間がある。
良一が支度してるのかしら。
良一も変装に近い支度にしてくんなきゃ、私がだれかバレちゃうよ。
大丈夫かなぁ。
突然、ガッと腕に手を通され、ぐいぐい引っ張られた。
そのままトットッと引きずられるようについて行く。
すぐ止まり、またぐいぐい引っ張られる。
靴底で踏み締める床の感触から、カーペットタイルの敷かれたマンションの廊下であることがわかる。
そしてすぐ止まり、多分エレベーター。
ガクンと下る感じ。
そして、たぶん地下。
ひんやりした空気がおへそに当たり、地下駐車場で扉が開いたことがわかる。
カンカンとコンクリートを踏み締めて、うちの車の前。
ドア開閉の音すら聞こえない。
肩を掴まれ、シートに誘導されると、背中の剥き出しの部分に革シートが冷たくて飛び上がった。
それでも無理矢理座らされ、バムッとドアの閉まる圧力を感じたあと、車が走りだした。
地下から外に出たのは明るさではわからない。
でも暑い。
マスクの下は汗ダラダラ。
髪の毛の隙間を通って、頭皮伝いにどんどん流れて来る。
暑ッつ〜〜ゥ!
良一にはわからないらしい。
ンピー!
ンピーー!!
鼻息を荒くする以外、伝える手段がない。
車はあまり止まらずに30分ほど走ったところでまた涼しくなった。
また地下駐車場かな?
ドアが開くと、涼しい感じとコォーーッと籠もった音が響くような感じがするので、やっぱりそのようだ。
「…… …………」
また良一が何か言ってる。
聞こえないってば。
車のシートから引っ張り出され、良一と腕を組んだ。
そのまま短い階段、そしてエレベーターと、電撃なしで連れ回される。
考えて見れば上る下るのコマンドは取り決めてなかった。
抑制された鼻腔に外の空気が流れ込み、顔と頭が熱くなった。
外へ出たようだ。
しばらく腕を組んで歩く。
極度の緊張状態から、やっと少しずつ現状に慣れてきた。
腕に籠もった力が抜けて来たのを察知したのか、良一が手を離した。
――あっ!――
ガキーーン!
手首に痛みが走る。
手首は自然に近い位置のまま拘束されているので、なんとなく拘束されてる意識はあっても、実際に動かせないことを思い知るまでは意識から外れていた。
これだけ状況をしっかり理解しているにもかかわらず、私は一瞬でパニックに陥った。
感覚を剥奪された状態でまったくわからない場所に放り出される恐怖!
抜けない手首を揺すって、良一に抱きつこうともがく。
――ビクーーーン!!――
「ンブッ!!」
街中で全身を硬直させて身悶える。
いきなり、おしおき電流が流された。
死んじゃうよぉ!もう!
「ンフーー!」
「ンフーー!」
「ンフーー!」
「ンフーー!」
やっと我に返った。
ピクン!
両乳首に『進め』の合図。
「ンフーー!」
「ンフーー!」
「ンフーー!」
「ンフーー!」
肩で息をしながら、ヨロヨロと歩く。
…… ……
だめだ、これじゃ!
こんな姿じゃバレちゃう!
ここまできて急に脳みそが正常に回りだし、激しい拘束の中でまともな判断力を取り戻した。
背筋を伸ばし、さも格好をつけてポケットに手を入れているような振りをして、すこしもったいつけて歩きはじめた。
でも、心は震えてる。
怖い……
怖いよぅ……
恐怖を呑み込み、粋を装って、カツカツと歩く。
人通りが多いことはなんとなくわかる。
絶対に目立ってるはず。
でも目立ってるのは私でなく、私の『皮』だ。
私に似せたロボットだ。
私は存在を殺され、自由を剥奪され、そのロボットの動力源として生かされている。
ああああああ。
ドーッと濡れ出した。
拘束と剥奪を好む、超変態だってモロバレだ。
すると突然、アソコの奥がぬるんと滑る感じがして、イボイボのガマの穂が私の中を移動した。
ふああああああ!!!
発狂しそうにきもちいい!!
でもものすごい生殺し。
意識すればするほど、ぬるんと膣内を移動する。
ビクーーン!
「フングッ!!」
今度は何ッ!?
お尻のプラグが、突然ズン!と引き込まれた。
肛門の筋肉が全力で収縮してる。
一瞬の後、カクッと緩む。
そしてまたズーーーン!!
「フングンンッ!!」
またしても全身硬直する。
全頭マスクの中は汗だく。
こんな状態でも歩いてる自分が、けなげに思えてくる。
お股がヌッチョヌチョできもちわるくなってきた。
へたするともう染み出してるかも。
その刺激でまたぬるんと膣内の刺激が拡がる。
やがて内股を虫が這いずるような感覚が、だんだん下へ下がってゆく。
いやあああ!!
やっぱり垂れてる!
垂れてるよぉ!
今更って状態なのに、全頭マスクの中でカーーッと赤面して、余計にドクドク熱くなる。
熱の逃げ場が無い。
鼻血出そうだぁあ〜
こんな超拘束の中に居るのに、マトモに歩いてる自分が不思議。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ウグッ! フグッ!
お尻のプラグが一定のリズムで出入りしはじめた。
ぬるーん。
わあああああ!おま○このディルドウが滑って奥にいイッ!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ぬるーん。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ハヒッ!
ハヒッ!
ハヒッ!
歩きながらお尻の穴が犯される。
内股の付け根が突っ張っちゃって、足の振り出しが鈍りがちになる。
ぬるーん。
オグッ!
よろけそうになって手でバランスを取ろうとしたら、手の自由なんて無いことを再び思い知らされた。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ぬるーん。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ぬるーん。
ハヒッ!
ハヒッ!
ハヒッ!
ハヒッ!
ハヒッ!
ハヒッハヒッハヒッ!
あああああああもうイカすつもりだ。
この衆人環視の中で。
でも、もういい。
思い切りイッてやる。
すんごい叫び声上げて。
絶頂を貪ってやる。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ぬるーん。
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ビックン!
ぬるーん。
ひいいいいいいいいい!!
ああお尻の内面がぬちょぬちょに擦れるのがキモチイイ!!
このままイクよ!
あ!
あああ!
あああああ!
ああああああ!
ああああああああああああ!
すると突然オシッコしてる感じがして尿道がチリチリしはじめた。
わあああああ!
尿道まで!!
おしっこピュッピュッって吹いてる感覚がするゥ!!
電気刺激による疑似感覚だってわかってるけど、パニックで混沌としてる頭にはホンモノもニセモノも一緒だ。
ぬるーん。
ひいっ!
膣ディルドーの快感が割り込んでくるっ!
自分の筋肉で勝手に抜き差しされるプラグの排便感とあいまって、排泄物を撒き散らしながら歩いてる感覚になった。
ああっ!
もうどうにでもして!
人間が認知できる刺激の領域を完全に越えてるよぅ!
ビクン! ビクン! ビクン!
ピュッ! ピュッ! ピュッ!
ぬるーん。
ぬるーん。
ビクン! ビクン! ビクン!
ぬるーん。
ピュッ! ピュッ! ピュッ!
ビクン! ビクン! ビクン!
ピュッ! ピュッ! ピュッ!
ぬるーん。
ぬるーん。
ぬるーん。
……
あれだ……
お酒飲んだときの……
酔っ払って前後不覚なのにやたらハイになる、あれ。
記憶は飛び、胃の中身を全部吐く直前の、あれ。
あらゆる快感が脳幹目指して脊椎を駆け登る。
シューーーッ!
フヒッ!
フヒッ!
フヒッ!
フヒッ!
鼻の穴まで閉じられた。
ギューーンと全身が足元から絞り上げられたように感じ、プルプルと痙攣が太ももから駆け登るって来た。
「ア”〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
開かない口の奥で、意味不明の叫び声を漏らす。
自分が白目剥いてるのがわかる。
「ア”〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
まともな体だったらきっと失禁しているかも。
尿道を塞がれているので漏れることはないけど。
頭が真っ白になって下半身が一瞬緩む。
そしてお湯に浸るような温かい快感がジワーッと昇ってくる。
そのお湯が頭まで満たされた時、全身硬直したまま3歩カタカタと歩いて、ガクッと崩れた。
……
フッと気が付いた。
急に混乱して大パニック!!
「ンーーーーーーッ!!」
「ンーーーーーーッ!!」
「ンーーーーーーッ!!」
虚空を掴もうとして手が動かず、足をバタバタさせた。
ビリビリッ!!
「ゴブッ!」
おしおき電撃を受け、全身が硬直した。
シューーッ……
シューーッ……
シューーッ……
シューーッ……
やっと呼吸も落ち着いた。
気が付くと、座っていたのだった。
ベンチかどこかかしら。
腕を取られ、席を立つ。
そーっとそーっと歩いて行く。
これ、良一だよね?
調べる手段が無い。
しばらく暑いところを歩き、急に涼しくなった。
コツ、コツと階段を降りて行く。
しばらく行くと、急にカビ臭くなった。
ここ、どこ?
そして、ほんとに、良一?
いきなり後ろから抱きつかれ、オッパイを揉まれた。
エッ?!
良一ならこんなことしないはず。
誰ッ!?
誰ッ!?
たすけて!
良一!
キャーーーーーッ!!
手は動かせないので、立ったまま足をばたつかせて必死に抵抗する。
勝手に連れ回されたことが急に恐怖に感じられ、パニックに陥り無我夢中で暴れる。
―― ジッ! ――
首に何か付けられた!
―― バシャッ! ――
解錠……?
首輪が緩んで、楽になった。
やっぱり良一なの……?
手首の拘束が外され、かつらが外され、後頭部が緩み、ついにマスクが外された。
辺りを見回すと地下駐車場の人気の無い一角だった。
歯枷のネジを回されると、やっと口が緩んだ。
「うぶぁあ……」
口の前に添えられた良一の手めがけて、緩んだ歯枷を押し出す。
「わ、きったねぇなぁ」
「うー。くちがへん」
「すぐ治るさ」
「ひどいよぉ! 本当に知らない人かと思ったんだからぁ!」
「悪い悪い。さぁ帰ろうぜ」
「やだ」
「え?」
「や・だ・」
「ええっ!?」
「だってぇ、せっかくのデートなのにぃ。戻るゥ」
「ちょ、マジで? そのカッコで? 装置も全部着けたまま? スッピンで?」
「ウン! あっ……!」
ブルブルッと身震いして、トロンとした顔になるあたし。
膣のディルドーだけはスイッチに関係なく内部を刺激して移動するんだった。
「ンはぁッ……!」
「そんな状態で平気かよ」
「デートの方が大事なの……!」
「はいはい」
駐車場から上に出て、街の中心まで戻る。
私は結局良一にしがみつきっぱなしだった。
膣のディルドーは、信じられないくらいグニュグニュ移動して、そのトリハダが立つほどの甘い刺激に、何回かブルッと短くイッた。
拘束の尖った刺激もいいけど、こうやってるとラブラブが基本だって思い知らされる。
良一にべったりしがみついて歩くだけで、ナカがこんなに喜んじゃうなんて……
「あ・ああッ!」
―― ブルブルッ! ――
「またかよ」
「今日、絶対、夜、してよ? フツーにだよ?」
「はいはい。貞操帯嵌められてる奴隷ちゃんのおねだりにしちゃ、あまりにお立場から一番遠い要求でござんすね」
―― ドス! ――
「いでーーッ!」
ブーツのヒールで良一の靴を踏んだ。
っていう話なんだけど、面白い?
あ、結局ゴチソウサマかよって?
……ごめん。
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